ホメオボックス遺伝子の二段階転写調節による肢芽の区画化と遠近軸形成
Project/Area Number |
11154206
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西郷 薫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50136454)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小嶋 徹也 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80262153)
|
Project Period (FY) |
1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | ホメオボックス遺伝子 / Bar / wingless / Dpp / ショウジョウバエ / 肢 / コンパートメント / 遠近軸 |
Research Abstract |
BarH1,BarH2は、Bar座位にある一対のホメオボックス遺伝子で、これらのコードする蛋白質は、同一の標的DNA配列に結合し、機能的にも互いに冗長な転写制御因子として働いている。BarH1,BarH2を合わせてBarとよぶ。Barは、コンパートメント特異的に発現し、そのコンパートメントのidentityを決めている。本年度の研究及びそれ以前の研究から、肢や背中の前端部でのBarの役割が明らかにされた。肢では、Barはホメオボックス遺伝子aristalessと拮抗的に互いの発現を制御し、肢の最先端部位を最先端分節とそれに隣接する分節(コンパートメント)に二分している。肢とは異なり背中では、はっきりした物理的な境界が見いだせないがチェッカー・スクエアー状のコンパートメントがあり、縦横に発現した転写制御因子の組み合わせによりそれぞれの運命決定がなされていると考えられる。従って、背中における転写制御因子コンパートメントの形成は、肢とは全く異なり、むしろその対極的な仕組みにより行われているかも知れない。背中においてBarは、前端部を特定する遺伝子で、その領域で例えばプレパターン遺伝子とし働き、プロニューラル遺伝子を正に制御し背中前端での末梢神経系の形成を支配している。背中前端におけるBarコンパートメントと直交したコンパートメントを形成し、後部側からBar発現を制御しているのが、winglessコンパートメントである。このwingless発現領域の形成機構について詳しく調べた。wingless領域は、正中線からのモルフォゲンDppにより制御されていたが、ここには4つの異なった並列した制御機構が存在していた。それらは、Pannier/U-shaped複合体による負の制御、非結合型Pannierによる正の制御、未知の因子を介する正の制御、Wgによるautoregulationである。Pannier/U-shaped複合体が、従来の考えとは異なり、直接DNAに結合する因子であることも示し、更に、リプレッサーとして働くだけでなく遺伝子活性化にも関わる場合があることを明らかにした。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)