tRNAアンチコドンを標的とするヌクレアーゼトキシンの研究
Project/Area Number |
11155207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
正木 春彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50134515)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | トキシン / コリシン / tRNA / 修飾塩基 / リボヌクレアーゼ / RNase / インヒビター / 触媒 |
Research Abstract |
我々は,コリシンE5が大腸菌細胞内のtRNAを切断するユニークなRNaseであることを見出した.酵素活性はC末端ドメインCRDにあり,生産菌はインヒビターImmE5を合成して自殺を免れている.E5-CRDは生理的にはTyr,His,Asn,Aspに対するtRNA分子に特異的に働き,アンチコドン1/2文字目間を切断する.この4種のtRNAは共通してアンチコドン1文字目にGの修飾塩基であるキューイン(Q)をもつが,tRNAにこの修飾の入らないtgt変異大腸菌も野生型と同様にコリシンE5感受性で,また変異株由来の4種のtRNAも同様に切断するので,Qそのものが基質認識に必須ではないことが推定された.またE5-CRDの分子量は基質tRNAの約半分であるので,E5-CRDは基質の部分構造を認識していると考え,各種の合成RNAを用意し,試験管内で切断感受性を検討し,E5-CRDが本質的には局所的RNA塩基配列を認識するRNA制限酵素であると結論した.またE5-CRDは,切断されたRNAの末端に2',3'-環状リン酸と5'-OHを生じる点では普通のリボヌクレアーゼと類似の反応機構が想定されるにもかかわらず,既知ヌクレアーゼと配列相同性がまったくなく,また既知のヌクレアーゼで一般塩基触媒,あるいは一般酸塩基触媒として必須のHisをE5-CRDが1個も持っていない.現在,E5-CRDとdGdUの複合体のX線結晶構造解析を進めており,その予備的結果をもとにHisに代わる触媒残基を探し,Argを候補として見つけた.
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Report
(1 results)
Research Products
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