Project/Area Number |
11156202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
稲葉 一男 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80221779)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | ダイニン / リン酸化軽鎖 / 精子 / タンパク質リン酸化 / 鞭毛 / 分子モーター / 微小管 / cAMP依存性プロテインキナーゼ |
Research Abstract |
軸糸ダイニンの構造と機能、及びリン酸化によるダイニンの調節機構について研究を行った。本年度は以下に述べる新たな知見が明らかになった。 (1)ウニ精子鞭毛の外腕ダイニンβ鎖がATPを分解する際引き起こす構造変化部位のマッピングを行った。変化部位は、ATP加水分解部位(中央部)からかなり離れた箇所でも起き、β鎖全域に広くわたっている。二次構造の予測をしたところ、ATP分解の際、構造が変化する部位のうち3箇所(Tav1T2,Tav2部位)はαヘリックスコイルドコイルのすぐC末端側に位置することがわかり、ダイニンの大きな構造変化がドメイン単位で起こる可能性が示唆された。 (2)ダイニン軽鎖のリン酸化は軸糸ダイニンの調節にきわめて重要である。昨年、リン酸化ダイニン軽鎖のcDNAクローニングに成功した。組換えタンパク質に対する抗体を作製し、軸糸運動に対する効果を調べたところ、高濃度ATP下での運動を阻害することがわかった。一方、リン酸化を負にコントロールする因子としてプロテインホスファターゼを同定した。このプロテインホスファターゼはタイプ2Aであり、鞭毛のTriton可溶性画分に存在することが明らかになった。今後は、リン酸化軽鎖の組換えフラグメント、精製プロテインホスファターゼ等を用いて、ダイニンにおける分子内局在やモーター活性の調節機構を解析して行く予定である。
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