脱髄疾患発症におけるオリゴデンドロサイトの細胞死の分子機構
Project/Area Number |
11157216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三浦 正幸 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (50202338)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | オリゴデンドロサイト / カスパーゼ / 細胞死 / 脱髄 / TNF / ICE |
Research Abstract |
オリゴデンドロサイト(OLG)がDeath Factorにさらされたときに活性化される細胞死の機構を明らかにする目的で、caspaseの関与を検討した。マウスから分離培養したOLGはTNF-αや抗Fas抗体に感受性を示しその細胞死はICE様caspaseの阻害剤YVAD-CHOで効率よく抑えられた。よってこの細胞死にICE pathwayが関与することが示唆された。多発性硬化症(MS)の動物モデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)を誘発したマウスにおいて、caspaseの発現を免疫組織学的に検討した結果、ICEとcaspase-11の高い発現が脊髄の病変部位に集積した浸潤細胞とその周辺のOLGで観察された。また、EAEにおいて脊髄のOLG数の減少が浸潤細胞の集積した領域の周辺に観察された。核凝縮を伴うアポトーシス様の変化を示したOLGでは活性型caspase-3が発現していた。活性型caspase-3を発現しているOLGでは高頻度にcaspase-11の発現増加が観察されることからcaspase-11/3の細胞死実行カスケードが予想された。caspase-11欠損マウスから得られたOLGはTNF-αや抗Fas抗体による細胞死に抵抗性を示し、caspase-3の活性化も抑制されていた。これらの実験結果は、caspase-3の活性化機構に関してcaspase-8やcaspasc-9を介する経路以外にcaspase-11からの経路が特定の神経系の細胞死には重要な役割を果たしていることを示唆するものである。caspase-11は様々な刺激によって発現誘導のかかる遺伝子であり、病態での神経系細胞の細胞死に広く関与することも予想される。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)