パーキンソン病惹起物質MPP+のミトコンドリアDNA複製阻害と神経細胞死
Project/Area Number |
11157224
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
康 東天 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80214716)
|
Project Period (FY) |
1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | ミトコンンドリアDNA / hMTH1 / 酸化障害 / MPP+ / DNA複製 / DNA修復 / パーキンソン病 |
Research Abstract |
(1)MPP+のミトコンドリアDNA複製阻害機構 パーキンソン病惹起物質であるMPP+がミトコンドリアDNA複製を選択的に阻害することを見いだし報告してきたが、この間その複製阻害におけるMPP+の標的がミトコンドリアDNA複製中間体であるD-loopであることを見いだした。つまり、MPP+はミトコンドリアDNA複製DNAポリメラーゼであるDNAポリメラーゼγにはまったく阻害効果を示すことなく、複製新生鎖の量をin vivo,in organelloで強く減少させることから、MPP+はDNA合成を阻害するのではなく、複製中間体を不安定化させることが示唆された。実際、単離したミトコンドリアDNA複製中間体であるD-loopから複製新生鎖を直接遊離させる活性がMPP+に存在した。このことは、MPP+は蛋白質因子を介さず直接D-loopと反応しその構造を不安定化させることで複製を阻害することを示唆しており、ミトコンドリア病でしばしば見られるミトコンドリアDNA枯渇の機構に対して、全く新しい概念を導入するものである。 (2)ミトコンドリアDNAの酸化障害とhMTH1 パーキンソン病患者においてはミトコンンドリア機能低下、ミトコンドリアDNA障害、酸化ストレスの存在が指摘されていた。申請者らはDNA酸化障害を予防する8-oxo-dGTPase(hMTH1)が、実際にパーキンソン病患者の黒質細胞において発現増強していることを抗hMTH1抗体を用いた免疫染色で確かめ、初めてミトコンドリアDNA酸化障害予防修復酵素によるに生体の防御的反応の存在を示した。また、MutY蛋白質ligation-mediated PCRを組み合わせたミトコンドリアDNA障害検出系を作製した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(8 results)