核内巨大複合体機能解析による動脈硬化症発症機構の解明と治療法の開発
Project/Area Number |
11158201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中島 利博 筑波大学, 応用生物化学系, 講師 (90260752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深水 昭吉 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (60199172)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 転写 / アセチル基転移酵素活性 / 転写コアクチベーター / アセチル化リジン抗体 / 動脈硬化症 / 血管平滑筋細胞 / トロンビン / CREB binding protein |
Research Abstract |
【目的】 血管平滑筋細胞の遊走と増殖は、動脈硬化症における病巣の形成に重要である。それらの分子機構の解明は動脈硬化症の発症さらには治療法・予防法の開発に大きく貢献すると考えられる。これまで動脈硬化病巣での血管平滑筋細胞の転写制御の恒常性の破綻が、特に個々の転写活性化因子のレベルで解析・報告されている。 最近、殆どのシグナル依存的転写活性化因子と複合体を形成し、個々のシグナルを統合し標的遺伝子の転写を活性化するCREB binding protein(CBP)に代表されるコアクチベーター分子群がヒストンをはじめとする種々の核内蛋白質のリジン残基に対するアセチル基転移酵素であることが証明された。我々は転写コアクチベーターを切り口として動脈硬化病巣血管平滑筋細胞の"転写制御の恒常性の破綻"を解析している。昨年、抗アセチル化リジン抗体を作製し、同抗体により動脈硬化巣で血管平滑筋細胞の核内蛋白質のアセチル化が亢進(hypernuclearacetylation:HNA)していることを報告した。今回は本現象の詳細な分子機作の解析とその制御による動脈硬化症治療へ応用の可能性を検証した。 【対象と方法】 ヒト臍帯由来の培養血管平滑筋細胞を用いた。核内アセチル化活性の定量は上記アセチル化リジン抗体に加え、ヒストンに対するアセチル化の活性を指標として検出した。培養血管平滑筋細胞の増殖は^3H-thymidine uptake法、MTT)により測定した。 【結果・考察】 血管平滑筋細胞のmitogen、かつmotogenであるトロンビンは血管平滑筋細胞にHNAを強く惹起した。この現象にMAP kinase pathway、およびCBPが関与していることが明らかとなった。本研究により,トロンビンシグナル伝達が核内因子アセチル化へと至る全く新しいシグナル伝達経路の存在が示された。今後、動脈硬化病巣のHNAの存在意義をより明らかにする必要があろう。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)