Project/Area Number |
11158206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
磯部 光章 東京医科歯科大学, 医学部・附属病院, 助教授 (80176263)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 心臓移植 / 慢性拒絶 / 遺伝子治療 / 冠動脈硬化 / 虚血再灌流障害 / HVJリポソーム法 |
Research Abstract |
【目的】心拒絶反応は移植後患者の予後を決定する重要な要素である。昨年までの研究で、細胞周期調節遺伝子の発現とアンチセンス遺伝子導入による慢性拒絶予防効果ついて報告した。それによれば、cdk2 kinaseに対するアンチセンス遺伝子の導入により冠動脈肥厚が抑制されており、慢性心拒絶に遺伝子治療が有効である。今回より長期的な効果が得られる遺伝子治療の標的として、転写因子であるE2FとNF-κBに着目して、デコイ遺伝子による発現制御が慢性および急性心拒絶反応を抑制する効果について、マウスとサルの心移植モデルを用いて検討した。 【対象と方法】マウスおよびサルの異所性心移植は既報の方法の通り、腹部血管への血管縫合を用いて行った。マウスではNF-κBデコイを、サルではE2Fデコイ遺伝子を導入した。デコイ遺伝子はドナー心の大動脈より注入し、4℃で10分問の留置により行った。ドナーヘの免疫抑制等の治療は行わなかった。マウスは、major mismatch、minor mismatchの二通りの組み合わせで検討した。移植心は28日目に採取した。 【結果】マウス(major mismatch):移植心の生着はコントロールで、平均8日に対し、NF-κBデコイ導入群では平均15日と有意に延長した。マウス(minor mismatch):NF-κBデコイ遺伝子導入群では、新生内膜の血管内腔占拠率が22±14%とコントロール群(53±12%)に比して減少した。血管壁におけるVCAM-1の発現も低下していた。サル:E2Fデコイ導入により内腔占拠率は平均18±10%とコントロールの49±12%より有意に減少した。サルの肝臓、脳、腎、精巣のいずれにもHVJのF蛋白は検出されなかった。 【考察】NF-κBデコイ、E2Fデコイ遺伝子が慢性拒絶の抑制に有効であることが小動物のみならず大動物においても示された。NF-κBは急性拒絶反応の抑制にも有効であったが、治療によりICAM-1やMHCクラスI抗原の発現も低下しており、虚血再灌流障害による炎症の抑制により、抗原提示が低下したことが関係していると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)