新しいホメオボックス遺伝子Gaxの血管平滑筋分化誘導の分子機構とその臨床的意義
Project/Area Number |
11158210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 裕 京都大学, 医学研究科, 助手 (40252457)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 血管平滑筋細胞 / cGMP / アンジオテンシンII / 酸化ストレス / 転写因子 / MAPキナーゼ / ES細胞 |
Research Abstract |
近年同定されたGax(growth arrest-specific homeobox)は、大動脈、心臓など循環器系特異的発現を示すホメオボックス遺伝子であり、血清やPDGF等の増殖促進因子によって発現が抑制されること、その過剰発現により血管平滑筋細胞(VSMC)増殖遊走が阻害されることが示され、VSMCの増殖抑制において重要な意義を有すると考えられている。これまでに我々は血管作動性ペプチドであるアンギオテンシンII(AII)とナトリウム利尿ペプチドがVSMCの増殖に対し拮抗的に作用していること、Gaxの発現がAII及びC型ナトリウム利尿ペプチドによりそれぞれ抑制及び促進されることを明らかにし、GaxがVSMC増殖制御シグナルにおいて、共通の転写因子として関与する可能性を示した。更に、アンチセンスDNAを用い、GaxがcGMPカスケードによるVSMC増殖抑制において不可欠であることを明らかにした。本年度は、Gax発現調節の分子機構において、酸化ストレス及びMAPキナーゼの意義を検討した。その結果、アンギオテンシンIIなどVSMC増殖促進因子は、酸化ストレスを亢進させ、細胞増殖制御において重要な役割を有するMAPキナーゼの一つであるERK1/2の活性化を介し、Gax mRNA発現を抑制することが明らかとなり、VSMCの形質変換決定におけるGax発現のredox制御の意義が示唆された。一方、我々はマウスES細胞よりFACSを用いたセルソーティング技術を用い、血管内皮増殖因子(VEGF)の受容体であり発生初期においては中胚葉マーカーであるFlk-1陽性細胞にPDGF-BB等を添加し、コラーゲンIV上で分化培養することにより、平滑筋α-actinやPDGF-β受容体陽性の血管平滑筋細胞/周皮細胞の分化誘導に成功した。現在、このマウスES細胞を用いた新しい血管平滑筋細胞発生分化モデルを用い、Gaxの意義を検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)