Project/Area Number |
11159101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
斉藤 誠一 東北大学, 医学部付属病院, 助手 (80235043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮城 妙子 宮城県立がんセンター研究所, 部長(研究職) (50006110)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | シアリダーゼ / シアル酸 / 形質膜 / ガングリオシド / リソソーム / 遺伝子導入 / トランスジェニックマウス / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
シアル酸量調節の重要な一端を担っている哺乳動物シアリダーゼには細胞内局在や酵素学的性状の異なる4つの分子種が存在する。このうち、われわれが先にクローン化した形質膜局在型および細胞質局在型シアリダーゼ、他グループの報告によるリソソーム局在型シアリダーゼについて、それぞれ生理機能や発達に伴う変化、病態変化等についての解析を進めた。ゲノムDNAの検索や細胞への導入実験、トランスジェニックマウス、ノックアウトマウスの作成を行い、シアリル化糖鎖のリモデリングを試みた。 形質膜局在型シアリダーゼは細胞の癌化・分化に際して鋭敏に変化を遂げ、この遺伝子導入によって癌細胞のアポトーシスが抑制されたり、神経芽細胞の突起形成促進が起こった。また、T細胞の活性化に伴って発現が一過性に上昇するなど、免疫機能とも密接に関わっていることがわかった。ゲノムの解析により、この遺伝子の転写活性はC/EBPによって制御されていることも明らかになってきた。トランスジェニックマウスにおいては加齢に伴いインスリン抵抗性糖尿病を発症した。この分子機構を追求している。一方、細胞質局在型シアリダーゼ、リソソーム局在型シアリダーゼの発現はがん細胞の悪性度や転移能と深く関わっており、これら遺伝子の導入によって、anchorage-independent growth の低下や移転抑制が観察された。以上のデータを基盤にして、今後は癌や神経疾患などにおけるシアリダーゼ発現異常の解析を行い、遺伝子導入による糖鎖リモデリングによって正常化を試みるなど、その病態解明と治療法の開発をめざす。
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