ショウジョウバエヘパラン硫酸3-O-転移酵素の構造と機能
Project/Area Number |
11159210
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
中藤 博志 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (90275008)
|
Project Period (FY) |
1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | ショウジョウバエ / プロテオグリカン / Dally / ヘパラン硫酸 / 硫酸基転移酵素 / mRNA / クローニング / シグナル伝達 |
Research Abstract |
ショウジョウバエ細胞膜結合型へパラン硫酸プロテオグリカンDallyの解析から、この分子が細胞増殖因子シグナル系の補受容体として機能していること、また、成虫組織発生過程と、初期胚発生期では異なる細胞増殖因子と特異的に相互作用しうることが明かにされてきた。このことは、異なる細胞ではプロテオグリカンの糖鎖構造が異なる修飾を受け、これによりリガンドの特異性が変換するという機構の存在を示唆している。へパラン硫酸鎖の修飾の中心は硫酸化反応であり、すでにいくつかのへパラン硫酸硫酸基転移酵素が発生過程において重要な機能を持つことが示されている。本研究では、ヘパラン硫酸配列決定の律速段階を触媒すると考えられているヘパラン硫酸3-O-硫酸基転移酵素(DmHS3ST)に注目して解析をおこなった。結果の概要は以下の通りである。 (1)2つのヘパラン硫酸3-O硫酸基転移酵素遺伝子(dHS3St-A,B)のcDNAクローンを単離した。(2)whole mount in situ hybridization法により、dHS3ST-B mRNAの発現パターンを解析した。これらの分子は胚発生・成虫組織発生を通し広く発現していた。(3)初期胚への二本鎖RNA注入による機能阻害実験をおこない、dHS3ST遺伝子の機能を解析した。dHS3ST RNAを双方同時に注射した胚では歯状突起および頭部構造の欠失が観察された。(4)dHS3ST-B遺伝子を異所的に活性化すると背板機械感覚毛の形成に異常をきたすことが判明した。これらのことから、ヘパラン硫酸の3-O位の硫酸化が特定のシグナル伝達系に必要であり、このシグナル系が初期胚の形態形成に機能していることが示唆された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)