Project/Area Number |
11160207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
楠見 明弘 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50169992)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 情報伝達分子 / ラフト / 脂質ドメイン / クロストーク / 膜タンパク質ピケットモデル / 一分子 / CD59 / GPIアンカー型タンパク質 |
Research Abstract |
本研究の目的は、『【1】細胞膜上では、情報伝達分子(特に脂質を結合した分子)の多くは、ラフトと呼ばれる直径50nm程度といわれる脂質ドメインに集合していること、【2】細胞膜における情報伝達経路のクロストークには、情報伝達分子「ラフト」が鍵となる働きをしている。』という作業仮説を検討することである。そのために、まず、ラフトを可視化する方法を開発しそれを応用することを目指した。ある種の脂質は、ラフトへ選択的に分配されると言われている。そこで、リン脂質の拡散運動を、一分子で25マイクロ秒の時間分解能で観察する方法を開発した。その結果、細胞膜は脂質分子の拡散に対しても50-250nm程度の大きさにコンパートメント化されており、脂質分子は10-100ms毎にその境界を越えて拡散することがわかった。このようなコンパートメントの境界は、膜骨格にアンカーされている膜貫通型タンパク質が、立体障害と流体力学的な摩擦の効果によって、膜骨格上にピケラインを形成して出来ていることが明らかになった(アンカード膜タンパク質ピケットモデル)。GPIアンカー型タンパク質であるCD59(C8受容体)も同様の運動制限を受ける。それに加えて、小さい会合体を形成すると、頻繁に運動が一時停止することがわかった(平均8秒に一回、約0.9秒程度)。停留点の大きさは110nm程度である。停留の頻度は、コレステロールを減少させると、3分の1程度に減少した。したがって、これらの停留点がラフトである、あるいは、停留したのは一時的にラフトが形成されたためである、という可能性が考えられる。この可能性をさらに検討していきたいと考えている。
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