裏打蛋白ビネキシンとSosの相互作用からみた細胞骨格とシグナル伝達のクロストーク
Project/Area Number |
11160208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木岡 紀幸 京都大学, 農学研究科, 助手 (90234179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青田 伸一 京都大学, 生物分子工学研究所, 研究員
植田 和光 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10151789)
天知 輝夫 京都大学, 農学研究科, 教授 (30301245)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | SH3 / Signal Transduction / JNK / Sos / vinculin |
Research Abstract |
ビネキシンは3つのSH3領域を持つ新規細胞膜裏打蛋白質で、1番目と2番目のSH3領域で別の裏打蛋白質ビンキュリンのプロリン豊富ヒンジ領域と結合する。また、過剰発現により細胞の伸展、ストレスファイバーの形成を促進する。本研究では、細胞接着/細胞骨格と増殖因子シグナル伝達のクロストークの場におけるビネキシンの機能解明を目的とした。 結合相手が不明であったビネキシンの3番目のSH3領域について、他のアダプタータンパク質が結合することが分かっており、しかも増殖因子シグナル伝達において中心的な役割を果たしているグアニンヌクレオチド交換因子Sosとビネキシンとの結合について検討した。その結果ビネキシンの3番目のSH3領域は特異的にSosと結合することがin vitro結合実験、免疫沈降実験で明らかとなった。しかも、その結合は血清、上皮細胞増殖因子(EGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)による刺激によって減少することがわかり、ビネキシン*-Sos相互作用がシグナル伝達に関与していることが示唆された。次にビネキシンによるSos下流シグナルへの影響について検討した。Sosは低分子量G蛋白質Ras、Racの活性化因子として働き、下流のキナーゼ(Erk、JNK/SAPK)を活性化する。そこで、EGF刺激によるErk、JNK/SAPKの活性化に与えるビネキシンの影響について調べたところ、ビネキシンの過剰発現はErkの活性化にはあまり影響しなかったが、JNK/SAPKの活性化を促進した。しかも、Sosとの結合部位である3番目のSH3領域に変異を導入した変異型ビネキシンは、EGFによるJNK/SAPKの活性化をドミナントネガティブに抑制した。以上の結果から、ビネキシンは細胞骨格の制御だけでなく、JNK/SAPKへのシグナル伝達においても機能していることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)