磁場配向ニ重膜中生理活性ペプチドの動的構造解析法の開発
Project/Area Number |
11160217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
内藤 晶 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (80172245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 暁 姫路工業大学, 理学部, 助手 (60227387)
斉藤 肇 姫路工業大学, 理学部, 教授 (30100150)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 磁場配向ニ重膜 / 生理活性ペプチド / メリチン / 膜分断 / 膜融合 / 膜蛋白質 / 固体NMR / 化学シフト値 |
Research Abstract |
膜蛋白質の立体構造を決定する新しい方法として、磁場配向二重腹中に膜蛋白質を組み込み、固体NMRの手法を用いて動的高分解能構造を得る研究を進めた結果、次の成果が上がった。 1.リン脂質二重膜にメリチンを分散させることにより、この二重膜は相転移点前後で膜分断および膜融合が観測された。膜融合を強い磁場中で行うことにより、このリン脂質二重膜は膜面を自発的に磁場に平行に向けて配向することが明らかになった。特にメリチン-DMPC二重膜系では直径が50μmにも達する巨大小胞体が形成していることが判明したので磁場に長軸を向けた楕円形小胞体を形成していることが明らかになった。また脂質二重膜の相転移点付近に温度を下げると、膜分断を起こす直前に膜表面に多くの小孔が形成されることを見いだした。 2.この自発的磁場配向膜を用いて膜結合生理活性ペプチドの立体構造や膜配向構造の決定を試みた。膜結合メリチンにおいては5カ所のカルボニル炭素を^<13>Cで標識して、それぞれの部位の構造情報を化学シフト値から解析した。その結果、メリチンは全体に渡ってα-ヘリックス構造を形成していることが分かった。さらに、N端側とC端側に2本のへリックスが存在し、N端は30°端は10°程度ヘリックス軸から傾いた平均軸のまわりを回転していることが判明した。加えて磁場配向状態の化学シフト値の解析から平均軸は膜面に垂直に貫通していることが明らかになった。顕微鏡による結果と合わせると、メリチンの膜分断は脂質の流動性が下がるにつれてへリックスが互いに会合して多くの小孔を形成し、最後に膜全体が分断される分子機構が明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)