Project/Area Number |
11161212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
和田 猛 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (90240548)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | アンチセンス核酸 / DNAアナログ / 保護基 / H-ホスホネートDNA / エイズウイルス / mRNA |
Research Abstract |
現在、エイズウイルス遺伝子を標的としたアンチセンス法はある種の限界に到達しており、飛躍的な新しいアイディアの出現が待たれているのが現状である。我々はごく最近、アミノ基およびリン酸基に保護基を必要としない全く新しい核酸分子構築法を開発した。従来の核酸合成法では核酸のアミノ基およびリン酸基に塩基性条件下除去される保護基が用いられているために保護基の除去条件下で分解してしまうようなDNAの誘導体を得ることができなかった。我々の開発した新しい方法を用いればこれらの核酸誘導体が効率良く合成できるはずである。さらに、この新しい核酸合成法の特徴はリン酸よりも酸化度の低いH-ホスホネートDNA中間体を経由するために、この中間体からインターヌクレオチドを修飾した種々のアンチセンス核酸への変換が可能である。そこで、本研究では遊離のアミノ基をもつH-ホスホネートDNAを合成し、これを種々の新規アンチセンス核酸に変換する試みをおこなった。 まず、すべての新規アンチセンス核酸合成における共通の合成中間体であり、構造的に最も単純なP-H結合をもつH-ホスホネートDNAの合成を検討した。オリゴヌクレオチドの3'および5'末端にヒドロキシヘキシル基を導入することによってインターヌクレオチド結合を安定化することができることを見出し、世界で初めてH-ホスホネートDNAを単離することに成功した。つぎに、このH-ホスホネートDNAを種々の新規アンチセンス核酸に変換する反応について検討したところ、P-NH_2結合をもつホスホロアミデートDNA、P-OCH_3結合をもつメチルホスフェートDNA、P-CH_2OH結合をもつヒドロキシメチルホスホネートDNAを合成することができた。 一方、HIV-1 nef-mRNAの塩基配列を種々検索し、二次構造と変異頻度を考慮してアンチセンス核酸の標的部位を決定した。この標的部位に対する種々の新規アンチセンス核酸を合成し、nef-タンパク質の発現制御に関する基礎的な実験をおこなったが、顕著なアンチセンス活性は認められなかった。現在、種々の標的部位に対する鎖長の異なるアンチセンス核酸を用いて、nef-タンパク質の発現制御を試みている。
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