Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
我々のデザイン・合成した高選択性、高活性のHIVプロテアーゼ阻害剤(KNI-272)はHIVプロテアーゼのメカニズムから論理的にデザインされているので細胞毒性が低く,標的活性部位に特異的に作用することにより理想的な抗エイズ薬として期待されている.本研究をさらに進めて,変異ウイルスの分子構造解析を行い,変異酵素・抗エイズ薬複合体との構造解析に基づいて,新規な抗エイズ薬の相互作用を考慮した論理的分子設計を行った. また,変異HIVおよびHIV-2は,それらのプロテアーゼ活性は低く,変異HIVの感染性が低いという報告や,HIV-2の病原性が低いという報告もある.このことは,低酵素活性が感染性低下の1つとなる原因と見なすことができ,ウイルス病原性分子機構解明へ酵素の化学構造レベルからのアプローチを行った. HIVプロテアーゼとチオエーテル置換誘導体,ジスルフィド結合架橋結合したダイマー酵素を固相法で合成した.阻害剤は遷移状態誘導体概念に基づいてプロテアーゼに特徴的な基質の切断部位Phe-Pro(P1-P1')のアミド結合をイソステリックな還元型[CH_2-HN]等に変換した誘導体を合成した.また,低分子化も試みてジペプチド阻害剤も合成した. さらに,ジペプチドHIVプロテアーゼ阻害剤と逆転写酵素阻害剤とのハイブリッド型抗HIV薬は,プロドラッグとして細胞膜透過性に優れ,各酵素阻害成分がHIV増殖の異なるステップを阻害して相乗効果を持つことから本格的な耐性克服エイズ治療薬として期待される.
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