造血幹細胞は、アポトーシス及び細胞周期の転写因子による制御機構の解明
Project/Area Number |
11162213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
犬飼 岳史 山梨医科大学, 医学部, 助手 (30293450)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 造血系幹細胞 / 転写因子 / アポトーシス / 細胞周期 / サイトカイン / 受容体 |
Research Abstract |
造血系幹細胞は、アポトーシス耐性と自己複製能を持つと想定されている。その維持には、サイトカインなどの外的因子が関与するが、これらの多くの因子は増殖刺激作用を有するため、いかに造血系幹細胞がその特性を維持するのかは不明な点が多い。我々はこれまで、線虫のCES2アポトーシス制御遺伝子の、ヒト相同遺伝子の研究を行なってきた。このうち、E4BP4(NFIL3)が、IL-3のシグナルの下流でRasを介して発現が制御され、アポトーシスを抑制していることを報告した。さらに、造血系細胞で発現されているTEF遺伝子を、IL-3依存性B前駆細胞株に導入し、その生物学的意義を検討した。その結果、IL-3 receptorβ鎖の発現を細胞表面及びmRNAレベルで著しく抑制し、IL-3によるシグナルを遮断する一方で、IL-3によるシグナルの遮断により誘導されるアポトーシスを抑制し、結果的に細胞周期をG0/G1期で完全に停止させることを明らかにした。これらの現象は、DNA結合能を持たない変異TEFの導入では観察されず、IL-3 receptorβ鎖の発現抑制とアポトーシスを抑制が、TEFの転写制御によることが示唆された(投稿準備中)。これらをふまえて、TEFが造血系幹細胞の維持に関わる可能性について解析を進めている。 一方、17;19転座型白血病に由来するE2A-HLF融合転写因子の細胞死抑制作用の下流遺伝子として、Zinc-Finger型転写因子であるSlug遺伝子を同定した。Slugは、線虫のHLF相同遺伝子であるCES2の下流遺伝子であるCES1と高い相同性を有し同様のDNA結合特異性を示した。さらにIL-3依存性B前駆細胞株のIL-3非存在下での細胞死を抑制することを報告した。引き続き、Slug遺伝子の造血系幹細胞での発現の意義と、プロモーターの解析を中心に検討を進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)