植物の多細胞システム構築の基盤となる細胞分裂の制御機構
Project/Area Number |
11163217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
新名 惇彦 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (30029235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 晃 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (80283935)
関根 政実 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (70226653)
吉田 和哉 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (50252622)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 細胞周期 / サイクリン / Cdc2 / Rb / G1 / S期制御 / 細胞分裂 / 分化 / キナーゼ活性 |
Research Abstract |
まずタバコ培養細胞をアフィディコリンとプロピザマイドによりG2/M期に同調化して、経時的にサイクリンD抗体により免疫沈降した画分を用いてタバコRbタンパク質を基質にキナーゼ活性を検出した。その結果、Rdタンパク質に対するキナーゼ活性がG1期中期以降に上昇することがわかった。一方、サイクリンA抗体により免疫沈降した画分ではヒストンH1に対するキナーゼ活性は検出されたが、タバコRbタンパク質に対するキナーゼ活性は検出されなかった。この結果は植物由来のRbタンパク質をリン酸化するRbキナーゼの実体を初めて証明したことになり、今後植物のG1/S期の制御機構を理解する上で貴重な知見である。 次に、タバコサイクリンDにGFP(green florescent protein)を融合させて、細胞内局在性を観察した。その結果、野生型のサイクリンDと融合したGFPは主に核に局在するが、リン酸化部位の変異体では核に局在しないことが分かった。この結果によりタバコサイクリンDの核局在性にサイクリンDのリン酸化が関与していることが分かった。また、この変異体をバキュロウイルス発現系により解析した結果、Cdc2aと結合するにもかかわらず、ヒストンH1キナーゼ活性がかなり低下したことより、サイクリンDのリン酸化はキナーゼ活性にも関与していることが分かった。なお、GFP融合サイクリンDがin vivoで機能していることを証明するため、GFP抗体を用いた免疫沈降により、4種のサイクリンDがCdc2aと複合体を形成してヒストンH1キナーゼ活性を示すことを証明した。また、レーザースキャニングサイトメトリーによりDNAの相対量を解析したところ、これらの形質転換体の中で、G1期の細胞の割合が減少してS期の細胞が増加するものが認められ、サイクリンDの高発現によりG1期が短縮する可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)