Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Research Abstract |
アリストテレスの著作は、西洋のみならずイスラームにおいても重要な古典の一つである.本研究は,その中で後世に最も広範な影響を与えた書物『デ・アニマ』の受容史をたどることによって,イスラーム哲学における霊魂論の成立と展開を明らかにするものである.対象とする時期を「移入期」「確立期」「展開期」に3区分し,それぞれの時期における受容の解明に努めた. 「移入期」に関しては,9世紀から10世紀にかけて行われた哲学文献のアラビア語訳とその伝承について,関連するテクストと先行研究を蒐集するとともに、その内容を検討し、文献データベースを作成した. 「確立期」に関しては,この時期を代表する哲学者イブン・スィーナーの霊魂論を明らかにするために,『救済の書』(al-Najat)の霊魂論の部分を邦訳し,解説と注釈を付して公刊した. 「展開期」に関しては,この時期の霊魂論の特徴を示す例として,スフラワルディーの『光の拝殿』(Hayakil al-Nur)を邦訳し,解説と注釈を付して公刊した.またスフラワルディーと彼が創始した「照明学派」に関しては,今日そのテクストの多くが未刊であるため,海外における写本調査を重点的に行なった.その結果,先行研究では言及されていない写本を含め,関連する写本の所在と状態を確認した.そして取得した写本のマイクロフィルムに基づいて、スフラワルディーの『開示の書』(霊魂論)およびシャハラズーリーの『象徴と比喩』を校訂し,電子テクスト化した。
|