いわれるティムール朝ルネサンス時代におけるペルシア語・チャガクイ語文献の研究
Project/Area Number |
11164244
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Humanities and Social Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久保 一之 京都大学, 文学研究科, 助教授 (70221934)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | シャフル・アーシューブ / インシャー作品 / 都市文化 / ルネサンス / ヘラート / ペルシア古典文学 / チャガタイ・トルコ文学 / 学芸保護 |
Research Abstract |
1.古典テキストの研究では、昨年度に引き続いて、ティムール朝末期ヘラートのシャフル・アーシューブ、サイフィー作『驚くべき者たちの技芸』を主な研究対象とした。この作品に収録されている124のガザル(叙情詩)について、(1)職人・商人を題材としたもの65、(2)政府・宮廷の官職保有者および機関・組織の職員を対象としたもの22、(3)遊興者・芸術家を対象としたもの12、(4)特定の人物を対象としたもの6、(5)宗教者を対象としたもの5、(6)その他の住民および都市の風物などを対象としたもの14に分類し、個々のテキストを考察した。その結果、この作品に収められた詩は、娯楽や気晴しを目的に詠まれてはいるが、上流階級や伝統的宗教行事に対する揶揄や風刺も見られることが明らがになった。そこには当時の人々の社会観や宗教観が反映されており、今後関連する同時代史料との比較考察によって、社会史や精神史に関する重要な史料となり得る、という展望を示すことができた。なお、研究成果報告の一端として、同作品に含まれるガザル20編の日本語訳、ラテン文字転写、解説を作成し、本特定領域研究の『公募研究成果報告書(仮題)』に寄稿した。 2.資料収集活動としては、昨年度のような海外出張はできなかったが、写本文献目録を手がかりにして、ティムール朝期の著名文人による書式集・書簡集(一般に「インシャー作品」と呼ばれる)等の調査をすすめ、必要に応じてマイクロフィルムを入手した。最近出版された刊本では、ティムール朝末期の『ジャーミー書簡集』(ウルンバーエフ校訂)ならびに同時代のトルコマン王朝アク・コユンルの『メイボディー書簡集』(フォルーハル校訂)が特に重要で、既に入手済みである。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)