近世ペルシア語によるイスラーム世界史記述の展開に関する古典文献学的研究
Project/Area Number |
11164275
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Humanities and Social Sciences
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
井谷 鋼造 追手門学院大学, 文学院, 教授 (60144309)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 近世ペルシア語 / イスラーム / 世界史記述 / 諸史の秩序 / 写本研究 / バイダーウィー / イラン史 / イスラーム世界史 / Nizam al-Tawarikh / 原典写本 / セルジュク朝 / 石刻碑文 |
Research Abstract |
公募研究として、上記の課題で研究を行ない.研究報告書所載の論文「近世ペルシア語の世界史Nizam al-Tawarikhについての古典文献学的研究I」を研究の成果として発表した。その概要は以下の通りである。 1.上記の課題につき、今回の研究では、13世紀後半に書かれた.近世ペルシア語による世界史『諸史の秩序』を14世紀の手書写本によって解読した。この史料の著者カーディーのバイダーウィーの没年については未だに明確な証拠によって決定するには至っておらず.後世の史料では最大で30年もの差があることがわかった。このことが史料の成立についての問題を残すことにつながっている。 2.『諸史の秩序』においては、イラン初代の王カユーマルスが旧約=イスラーム的伝説上のヌーフ(ノア)の子供の一人とされており、イラン古代の伝説上の王が旧約=イスラーム的歴史観に結びつけられている。それは著者バイダーウィーがイラン的文化伝統を至上のものとせず.あくまで旧約=イスラーム的な歴史観に立って世界史を考えていた姿勢を示す。またバイダーウィーの世界史は明らかに単線的で今日では当然とされる多様な文化の併存という発想は見られない。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)