Project/Area Number |
11165224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
若林 知成 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30273428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
百瀬 孝昌 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10200354)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Keywords | 炭素クラスター(2)サイズ選別 / マトリックス分離分光 / 電子遷移 / レーザーアブレーション / フラーレン / ナノチューブ |
Research Abstract |
フラーレンやカーボンナノチューブの構成要素として興味のもたれている環状構造の炭素クラスターC_n(n=10-30)について、それらを特徴づける電子遷移の観測と帰属を目指している。その結果は単に炭素ネットワーク構造の生成機構の解明のみならず、宇宙空間に存在する未知のクラスターの同定等に役立つ基礎的データを与える。本研究の特徴は、レーザー蒸発法とネオン固体または固体水素を用いた低温マトリックス分離分光法との組み合わせにより、炭素クラスターの電子遷移を低温ならではのシャープなスペクトルとして観測することが可能となり、スペクトルの微細構造からクラスターの振動状態に関する情報まで得られることである。また負イオンクラスターをマトリックス分離前に予めサイズ選別することにより、スペクトルの帰属を曖昧さなく行える点も大きな特徴である。初年度に当たる本年度はまず、クラスター発生源、および、負イオンを中性クラスターから分離するためのビーム輸送系の製作を行い、そのイオンビームの評価を行った。その結果、得られた負イオンビームの強度は空間電荷効果から見積もられる最大値に近い値を示し、このことからほぼ設計通りの仕様が達成されていることを確認した。今後は、クラスター発生源の繰り返し周波数を上げるなどしてマトリックスに蓄積されるイオンの総量を増やしたうえで、これをネオンガスとともに4Kの極低温基板上に吹き付けてマトリックスとし、その紫外可視吸収スペクトルの測定を行う計画である。
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