磁性金属錯体-C_<60>-電荷移動錯体の合成・磁性及び電子構造
Project/Area Number |
11165235
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
石井 知彦 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (90285718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松坂 裕之 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (50221586)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥7,100,000 (Direct Cost: ¥7,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | フラーレン / ポルフィリン / d-π相互作用 / 磁性 / 電価移動錯体 |
Research Abstract |
磁性を担うd電子と伝導を担うπ電子とが、共存かつ相互作用する、いわゆるd-π相互作用は、これまでに報告されていない全く新しい複合電子系を構築し、様々な興味深い物性が発現されるものと期待されている。本特定領域研究に於いて我々は、これまで様々な磁性と伝導のトピックスを発現してきたC_<60>を新たなるπ電子系ソースとして着目し、新規d-π相互作用を発現させる系の構築を試みた。特に遷移金属を中心金属に含むoep(オクタエチルポルフィリン)及びtpp(テトラフェニルポルフィリン)とC_<60>との化合物を合成し、それらの構造を詳細に解析したところ、Pd,CU,Ag,Niを有するoepとC_<60>とからなる共晶化合物では、ポルフィリン平面に対してエチル基がanti配位した構造をとることが分かった。これまでそのようなanti配置をしている共晶化合物は報告されておらず、今回の研究が初めての例である。また、ポルフィリンとC_<60>との間には強い相互作用が見られ、磁化率の温度依存性がenhanceされていることから、C_<60>との間で電荷移動が生じている可能性があることが示唆された。また我々は、フェニル基の3,5位の位置に^tBu基をつけ、中心金属にCoを有するtppとC_<60>との共晶化合物Co(tpp)・C_<60>の合成に成功した。これは、フリーベースH_2(tpp)以外のtpp錯体では、C_<60>と共晶化合物を形成した初めての例である。この化合物の特徴として、1.室温でC_<60>分子の回転が凍結すること、2.C_<60>とポルフィリン平面との距離が2.59Åであること、の2点が挙げられる。これは、^tBu基をつけることにより、立体的にかさ高い効果が得られ、C_<60>分子の回転を止め、非常に大きな相互作用が得られたものと考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)