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¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
有機金属化合物を用いて分子デバイス設計をするために,その基礎的な分子である遷移金属水素化物の電子状態に対するスピン軌道相互作用効果について研究を行った.この効果は相対論的効果の中でも重要であり無視できない.我々は開発中であるプログラムを改訂し,手始めに第4・5族の遷移元素がつくる水素化物の解離ポテンシャルエネルギー曲線を求めた.平均化MCSCF関数とそれに基づいて求めたSOCI関数(SOCI=second-order configuration interaction)を用い,遷移元素にf関数を1セット,水素原子にp関数を1セット含めたSBKJC型基底関数と,遷移元素と水素原子の両方にp関数を3セット含めたMIDI型基底関数を用いた.また,スピン軌道相互作用効果の見積もりのために,後者ではBreit-Pauli型のハミルトニアン,前者ではBreit-Pauli型の一電子部分に経験パラメータを導入した有効ハミルトニアンを用いて見積もった. 第4族元素(Ti,Zr,Hf)が形成する水素化物の最安定状態は四重項(Ti-H,Zr-H)または二重項状態(Hf-H)である.解離極限において遷移元素の^3F状態と相関する四重項状態または二重項状態(7つの状態成分)についてMCSCF軌道を求め,SOCI波動関数を作成し,スピン軌道相互作用を考慮した.Ti-HとHf-Hにおける基底状態はそれぞれ^4Φ_<3/2>状態と^2Δ_<3/2>状態であるが,Zr-Hにおいては^4Φ_<3/2>状態と^2△_<3/2>状態がエネルギー的に接近している.SBKJC(f,p)基底関数を用いた場合は,約1300cm^<-1>だけ^2△_<3/2>状態の方が安定であり,MIDI(3p)基底関数を用いた場合は,逆に^4Φ_<3/2>状態が約1000cm^<-1>安定になった.第5族(V,Nb,Ta)が形成する水素化物の解離エネルギー曲線も同様な計算方法にて求めた.これらのエネルギー曲線から数種の分光学データを予測し,実験結果および過去の計算結果と比較検討し,論文を執筆中である.
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