Project/Area Number |
11166236
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玉尾 京子 (野崎 京子) 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60222197)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 不斉 / カルボニル化 / ヒドロホルミル化 / ロジウム / パラジウム / 密度汎関数法 / 分子軌道法 / 一酸化炭素 |
Research Abstract |
オレフィン類の触媒的不斉カルボニル化において、反応に関与する電子の挙動を明らかにし、その結果をさらに効率、選択性の高い反応の設計にフィードバックすることを目的に、以下の二つの課題について研究を進めた。1.ロジウム触媒を用いるオレフィン類の不斉ヒドロホルミル化:この反応において特に高い選択性を与えたキラルホスフィンホスファイト配位子(R,S)-BINAPHOSは、触媒前駆体が従来の等価型ビスホスフィン配位子の場合とは異なる特殊な構造を示す。本研究では、まず、ホスフィンをPH_3、ホスファイトをP(OH)_3で置き換え、この錯体の構造を制御する電子的な要求を密度汎関数法および分子軌道法で調べ、次いで、立体的な要求についても合わせて考察した。これらの結果からエナンチオ選択制を支配する課程であるRh-H結合へのオレフィン挿入反応について、理論的に解明した。その結果、(R,S)-BINAPHOSのロジウム錯体が高いエナンチオ面選択をおこなった理由として、立体的要求により、リン-金属-リンの角度が90度に固定され、この状態で挿入してくるオレフィンの置換基に対してナフチル基の一つが大きく張り出していること、この立体障害面選択に有効にはたらいていること、が明らかになった。2.(R,S)-BINAPHOS配位子のパラジウムを触媒に用いるプロピレンと一酸化炭素の不斉交互共重合反応:この反応については、反応の進行に対応する錯体を段階的に調整し、それぞれの構造を決定し、それら錯体間の遷移状態を調べた。その結果、プロピレン挿入の際の位置ならびにエナンチオ選択制発現の要素として、ホスフィン部分のフェニル基が重要な役割を果たしていることがわかった。
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