ボーズ・フェルミ統計に従う多原子系の量子統計力学的ダイナミクス計算の研究
Project/Area Number |
11166245
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
衣川 健一 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (50254446)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 経路積分セントロイド / セントロイド分子動力学 / 量子ダイナミクス / ボソン / 液体ヘリウム / 理想ボーズ気体 / 分子動力学シミュレーション |
Research Abstract |
ボーズ系・フェルミ系に対する経路積分セントロイド分子動力学(CMD)法を開発し、前者を理想ボーズ気体と液体ヘリウム4へ適用した。 Caoらの従来の「ボルツマン統計的」CMD法を「ボーズ系CMD」「フェルミ系CMD」に拡張し、それらの量子ダイナミクスを記述する半古典的運動方程式を提案した。この理論に基づいて、理想ボーズ気体とヘリウム4に対するボーズ系CMDシミュレーションを行った。ヘリウム4の場合は原子間相互作用にはAzizのポテンシャルを仮定した。セントロイドにかかる統計(経路積分)平均力の評価のために、離散化経路積分に基づく「ボーズ系径路積分分子動力学法」をモンテカルロ法の代わりに静的なサンプリング法として用い、ボーズ的粒子交換を含めすべてを分子動力学の枠組みで計算した。この際、ボーズ交換の効果を表す有効交換ポテンシャルを含む仮想的なハミルトニアンが定義された。 「ボーズ系CMD」シミュレーションのためのプログラムを開発した。シミュレーションは1.0K〜4.0Kの温度範囲でボーズ系のカノニカル・アンサンブルに対して行った。CMD法では本質的に、モンテカルロ・シミュレーションで計算される静的な諸量(熱力学量・平衡分布関数等)をも同時に計算することができるので、ヘリウム4に対してはそれらの結果を検討し、Ceperleyらの結果と比較検討した。内部エネルギー・比熱の温度に対する変化を観察してラムダ転移(比熱の発散)を確認した。理想ボーズ気体の場合、ボーズ凝縮状態で、ボソンのセントロイドの速度自己相関関数が統計的相関のために減衰するさまが観察された。これらの結果、ボソンの半古典ダイナミクスの計算法が初めて確立されたといえる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)