励起分子の構造・振動状況・反応性に対する新しい理論的取り扱い
Project/Area Number |
11166264
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
中井 浩巳 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (00243056)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | Non-BO理論 / 励起分子 / アンモニアクラスターイオン / メチル基内部回転 / 理論的研究 / 衝突断面積 / π^*-σ^*超共役 / 非経験的分子軌道法 |
Research Abstract |
本研究では、励起分子の構造や振動状態、さらにはそれが引き起こす種々の反応を理論的な手法を用いて検討し、そのメカニズムを解明することを目指した。本年度は、この目的に従って、(1)BO近似に基づかないNO+MO理論、(2)アンモニアクラスターイオンの構造と反応性、(3)励起分子のメチル基内部回転運動、に関して研究を行った。(1)では、先に我々のグループで提案した核と電子の波動関数と同時に決定する方法、NO+MO/HF法の定量性を向上するために、多体摂動論を用いて解析した。その結果、核-核相関に比べ電子-核相関が圧倒的に大きいこと、低次の摂動では収束しないこと、リング型の相互作用より梯子型の相互作用が重要なこと、などが示された。この結果に基づいて、Bruecknerタイプの有効相互作用を用いる必要性があることがわかった。(2)では、アンモニアクラスターイオンとアンモニアモノマーの衝突断面積を、ab initioポテンシャルを用いて求めた。その結果、実験的に観測されているクラスターサイズ依存性や衝突エネルギー依存性を再現することに成功した。特に、衝突断面積が極小となるサイズが、中心のアンモニウムイオンの周りをアンモニアモノマーがすべて取り囲んだ構造、つまり第1溶媒和圏が閉じた状態に相当するという興味深い結果も得られた。(3)では、S_0,S_1状態における置換トルエンの回転障壁は、HF/CIS計算でまずまず実験値を再現できた。この計算結果の解析から、S_0→S_1励起による回転障壁の変化は、LUMOにみられる新しいタイプの超共役に由来していることがわかった。この超共役相互作用により、置換基の配向や電子供与性の違いによる回転障壁の変化を、系統的に理解することに成功した。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)