Project/Area Number |
11167202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
下村 政嗣 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (10136525)
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Project Period (FY) |
1999 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 散逸構造 / 分子ホトニクス / ハニカム構造 / ミクロパターン / キャスト / ナノ微粒子 / 階層 / ホトニック結晶 / dewetting |
Research Abstract |
本研究の目的は、希薄溶液から高分子を固体基板上にキャストする過程で生じる、非平衡熱力学に支配された散逸構造の形成を制御することで、ナノからメゾスコピック領域にわたって階層的に構造化された新しい機能性高分子材料を作製することである。本申請者らは、高分子の稀薄溶液をキャストするこで、ナノメーターからミクロンにいたる領域において、規則的に配列したドット構造やストライプ構造、ハニカム構造などが形成されることを見いだした。さらに、キャストプロセスのその場観察によって、これらのパターンが、溶媒蒸発時に形成される散逸構造と基板上での高分子のdewetting現象がカップリングすることによって形成されることを明らかにした。そこで本研究では、この手法を自己組織化を利用したマイクロ加工の技術にするために、散逸構造とdewettingを支配する実験的な要因(溶媒、濃度、分子量、基板との相互作用、等)を系統的に探り、高い再現性をもって広範囲にわたってパターンが形成される条件を明らかにするとともに、マイクロパターンを特徴とする新しい機能材料としての応用を図る。散逸構造を利用したパターン形成は、物質系に依存しなきわめて一般的な物理現象によるものである。これまで、主として線状高分子を用いてきたが、今年度は、ポリスチレンラテックスやシリカパーティクルを用いてパターン形成を検討した。これらの微粒子の水溶液を固体基板上にキャストした結果、濃度や温度に応じて様々なパターンが得られた。希薄溶液を室温でキャストするとデンドライト状の微粒子の会合体が得られた。高い温度では、キャスト溶液の界面で散逸構造であるフィンガリングインスタビリティーが形成され、溶媒蒸発後には規則的なストライプ構造が残った。走査型電子顕微鏡観察の結果、ストライプ中では微粒子は単層状に細密充填していることがわかった。さらに、濃度を高くすると、積層された微粒子の連続フィルム中に線状の亀裂が規則的に形成された。これらの結果は、散逸構造を利用することで、階層的な構造化(ナノメータースケールでの細密充填構造とマイクロメータースケールでの規則的周期構造)に成功したことを意味する。これらの微粒子からなるコロイド結晶はフオトニック結晶として機能することが知られており、パターン化することで階層構造に伴う新たな機能発現、例えば、微粒子の階層的な構造化にもとづくフォトニック結晶としての機能が期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)