ゲルの相転移を利用した柔軟性のあるマイクロアクチュエータの開発
Project/Area Number |
11167208
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 博章 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (20282337)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 聰 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (70262110)
|
Project Period (FY) |
1999 – 2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | ゲル / 相転移 / サンプリング機構 / グルコース / 微小化学分析システム / μTAS / シリコン / 異方性エッチング / サンプリング / 異方性エッシング / グルコースセンサ |
Research Abstract |
微小化学分析システムを実現する上で、サンプリング機構は不可欠の構成要素である。本年度は、人間の体温を感知してサンプルを吸引し、可逆的に吸引・排出を行うことのできる新しいサンプリング機構を、poly(N-isopropylacrylamide)ゲルの相転移を利用して実現した。新型サンプリング機構は、ゲルを収容する微小容器と、ゲルから溢れた水を収容する水溜めから構成される。ゲルはサンプル溶液とシリコーンゴム層で隔てられている。ゲルが膨潤する時には、ゲルは水溜めから水を吸収し、シリコーンゴムの膜を微小流路内に押し込む。これにより、微小流路内の溶液がシステム外に排出される。逆に、ゲルが収縮する時には、シリコーンゴムの弾性により、ゲルから溢れ出た水は水溜めに押し戻され、外部液が吸引される。上記のサンプリング機構の機能を微小分析システム中で確認した。このシステムにはマイクログルコースセンサと内径50μmの微小針が装着されている。ここで用いたグルコースセンサは、Nafion/酵素固定膜/polyHEMAの3層構造を有し、妨害物質の影響を低減するとともに、検量線の直線範囲を高濃度側まで拡張している。システムの温度を変え、グルコース標準液と緩衝液を順次微小流路中に吸引したところ、グルコースセンサの明瞭な応答が確認された。このシステムでは、溶液の吸引・排出は微小針を通してしかできないため、次に使用する前に洗浄用の緩衝液を何回か吸引・排出しなければならないが、その繰り返しごとにグルコースセンサの応答が小さくなる傾向が確認された。また、十分洗浄を行った後に再度グルコース標準液を吸引したところ、最初にこれを吸引した時と同様な電流値の変化が認められた。検量線を求めたところ、10mM以下の濃度範囲で直線的な関係が認められ、問題となる濃度範囲を十分カバーできることを確認した。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)