Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Research Abstract |
1.コレステリック液晶の選択反射波長の可逆的制御 (R)-ビナフトールを縮合したベンゾフリルフルギドと,ネマティック液晶,およびコレステリルエステルの混合物に光を照射することで,選択反射の波長が可逆的に変化でき,反射色は,赤から青まで連続的に変化できること,および,部分的に光をあてることで,パターン形成が可能であったことは平成11年度に報告した。しかし,この方法では白と黒の無彩色は出せなかった。今年度の研究で,セルに強い交流電場をかけることでホメオトロピック配向とすると,背景の黒が見えること,弱い交流電場ではフォーカルコニック状態となり,光を乱反射して白が出せることを明らかにした。また,これらの状態で電場を切った後機械的刺激を与えると,液晶が即座に再配向して,もとのコレステリック状態に戻ることを明らかにした。これにより,光と電場を組み合わせた配向制御法を確立することができた。 2.ビスベンゾチエニルエテンの片方の芳香環の2位の炭素上に不斉炭素をつけると,アリリックストレインが働いて,特定のアンチパラレル配座をとるようになる。この状態で光をあてると,生成する環化体はきわめて高いジアステレオ選択性を示す。不斉炭素の上に,水素,メチル基,メトキシメトキシル基を持つ場合,90%de程度のジアステレオ選択性を示し,しかも溶媒によらずに高い選択性を示した。光学分割した化合物で光反応を行うと,フォトクロミズムに伴って,CDスペクトルや比旋光度の値が可逆的に変化した。この概念は,フォトクロミック化合物を記録材料に応用したときの非破壊読み出し法に適用できる。 3.フォトクロミックなフルギミドをタンパク質の一つであるウシ血清アルブミンに取り込ませ,光照射を行うと,タンパク質中の疎水性ポケットの不斉な環境を反映して,50%ee程度のエナンチオマー過剰が観察された。タンパク質とフルギミドの比を変えたところ,蛋白質/フルギミドが10/l程度の時に,51.6%eeの不斉誘起が観察された。
|