Project/Area Number |
11167250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Otsuma Women's University (2002) Kyoto Institute of Technology (1999-2001) |
Principal Investigator |
梶原 莞爾 大妻女子大学, 家政学部, 教授 (10133133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 ひとみ 大妻女子大学, 家政学部, 助手
安永 秀計 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (80241298)
浦川 宏 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (10183211)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥16,800,000 (Direct Cost: ¥16,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
Fiscal Year 2001: ¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
Fiscal Year 2000: ¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
Fiscal Year 1999: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | 高分子構造・物性 / 分子シンクロナイゼーション / 電磁波散乱法 / 静的・動的構造 / 分子シンクロナイズ / 静的・動的構造解析 / 小角X線散乱 / 光散乱 / 位置選択的硫酸基置換カラゲナン / 分子モデリング / ゲル / 分子集合体 / 糖鎖高分子 / 動的・静的光散乱 / 動的・静的構造 / コンフォメーション |
Research Abstract |
硫酸化多糖は生理活性を持つものが多く、生体内で重要な役割を担っているものが多い。糖鎖の局所構造が生理活性発現の鍵を握ると考えられるが、局所構造は当然主鎖骨格の結合モードと硫酸基の位置により決まる。天然由来の高分子構造解析における困難さの一つに、会合のしやすさが挙げられているが、安定な会合<超分子構造>を形成することが生理活性発現のであるとも考えられる。ここでは位置選択的に硫酸基を導入(あるいは脱硫)した一連のカラゲナンの水溶液を調整し、その溶液から動的・静的光散乱及び小角X線散乱を観察した。調整した試料のゲル化実験から、ゲル化には(1,4)α基が非水化している必要があり、硫酸基はその付く位置によって螺旋構造を安定化する場合も、壊す場合もある事がわかった。光散乱及び小角X線散乱の結果をまとめると、いずれのカラゲナンも局所的には(小角X線散乱の結果)棒状構造をとる。しかしゲル化しやすいカラゲナンは、光散乱も棒状構造あるいは半屈曲鎖であることを示唆するが、ゲル化しないカラゲナン(λカラゲナン)は光散乱の結果からみると溶液中ではコンパクトは粒状の形態をしている。λカラゲナン以外のカラゲナンは、低温域でコイル状(無秩序構造)からヘリックス状(準秩序構造)へ、少なくとも局所的にその形態を変化することは小角X線散乱から推察できる。ゲルを形成するためには、ヘリックス部分が更に会合して架橋ドメインを形成することが必要だが、ヘリックス部分の長さがある程度以上でないと架橋ドメインとして十分な強度を保てない。カラゲナン2重螺旋分子モデルを使って直接計算した散乱プロフィールと小角X線散乱により観察された散乱プロフィールを比較すると、2重螺旋部が平行に並んで会合していると仮定すれば低温域の観察結果とよく一致する。高温域の散乱プロフィールは孤立鎖モデルで説明できる。なおλカラゲナンは低温域でも高温域でも観測された散乱プロフィールに変化はなかった。つまりカラゲナン分子のゲル化は温度を外部刺激としてカラゲナン分子が協同的に形態変化に伴う超分子構造を形成する過程として理解できる。
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