微小脳における長期現象情報受容器官としての脳内光受容器の情報処理システムの解明
Project/Area Number |
11168206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
針山 孝彦 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (30165039)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 1999: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Keywords | 脳内光受容器 / 光情報 / ホタル / 甲虫 / 微小脳 / 変態 / 休眠 / 側単眼 |
Research Abstract |
脳内光受容器が動物の長期現象の情報受容と関連があるのではないかという作業仮説に基づき、光受容器の微小脳内での役割を明らかにしようとする。特に、完全変態の甲虫を材料とし、幼虫から蛹を経て成虫に至るまで基本的に同一の微小脳がどのように環境変化に対応し情報処理しているかに注目して研究を遂行している。 脳内光受容器の起源を探るために、ホタルを用い幼虫の側単眼と成虫の脳内光受容器の関係を電気生理学的・形態学的に解析した。幼虫側単眼は扁平なCuticleからなるレンズ系をもち、複雑に配行した微絨毛が続き近位側に色素細胞層をもつ。脳内光受容器と同様にλmaxを530nmにもつスペクトル応答を示す。最終令の幼虫が蛹になる際に、側単眼のレンズ(扁平なCuticle)から離れて、脳に引きこまれていくことが観察された。この過程をトレースするために、蛍光物質を視細胞に注入したものと側単眼視細胞全体を除去した個体を作成した。幼虫側単眼にLucifer Yellowを注入したものでは、蛹時期を経て成虫の脳内光受容器の視細胞に蛍光が観察された。また視細胞除去手術を行ったものでは脳内光受容器が消失していた。また、幼虫が蛹化する際に、長日条件(18L:6D)では幼虫の発達が遅れ短日条件(6L:18D)では長日処理に比べ進んだ。これらから、幼虫側単眼がPupaで脳に取り込まれた後、成虫脱皮に何らかの影響をもっていることが示唆された。 生物は光感覚器官を身体の各所に配置し、機能の専門化をしたり、機能を汎用化し器官の破壊に対しての安全化を図ったりしている。微小脳は、その情報処理システムの少なさからこれらの専門性.汎用性の解析に適している。今後は、「完全変態を行う昆虫が環境の激変を幼虫から成虫までの同一の脳で適応している」という利点を活用して、脳と感覚器官がいかに環境変化に対して情報処理を変化させていくかについて詳細に解析していきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)