Budget Amount *help |
¥19,100,000 (Direct Cost: ¥19,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥5,100,000 (Direct Cost: ¥5,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 1999: ¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
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Research Abstract |
多波長異常分散法は,1種類(場合によっては1個)の結晶で構造解析が可能な,迅速かつ確実な位相決定法であるため,近年多くのタンパク質結晶の構造解析に適用されてきている.しかし,異常分散効果による回折強度差は小さく,分子量数万程度タンパク質にしか適用されていない.分子量の大きな生体高分子複合体に多波長異常分散法を適用するためには,より精度の高い回折強度データ収集を行う必要がある. 本研究では,SPring-8の生体超分子ビームライン(BL44XU)において,多波長異常分散法を高分子量タンパク質複合体に適用するための回折強度データ収集システムの改良と構造解析への応用を進めてきた.特に今年度は,波長変更と波長校正(測定波長の最適化)を,簡単に行えるソフトウェアの開発を行った.また,同時に,新規のタンパク質の構造解析への適用を行った. 測定波長の最適化と波長変更を行うためのソフトウェアは,GUIを採用し,サンプルからの蛍光測定を行うことにより,X線専門家でなくても容易に最適な波長を選択することができる. 本研究の遂行過程で,異常分散効果の大きな1波長のデータを用いた,単一波長異常分散法(Single-wavelength Anomalous Diffraction : SAD)の適用範囲が,予想以上に広く,多くの場合吸収端よりわずかに高エネルギー側のいわゆるピークと呼ばれる波長のデータのみで構造解析可能であることが示された.
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