Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
固体NMR測定のために安定同位体を用いたF_0F_1-ATP合成酵素サブユニットcの調製法を確立し,固体NMR実験を行った。アミノ酸配列特異的に同位体標識を行える有機化学的な方法では,最初に79残基の全配列を固相法で一度に合成しする.cサブユニットの精製は,主に逆相HPLCを用いて行う.この方法の収率は5%程度であったので,比較的安価に固体NMR試料を作れるようになった.今年度はこの方法で,異なる分子鎖上にあるAla24C^βとAla64C^αのみを^<13>C標識したサブユニットcを有機合成した.この試料について核間距離を測定するため,サブユニットcを生体膜に再構成して,NMR線幅が0.5ppm程度になり分解能が最も高くなる測定条件を求めた.^<13>C,^<15>N完全標識には,大腸菌の大量発現系を用いた.精製は,有機溶媒を用いる方法で効率よく精製できることがわかり,現在大量培養を行っている. これら試料を用いることにより,固体NMR法で全構造の解析ができると考えられる.このことを明らかにするために,溶液NMRで決めた化学シフトに基づいて正確にシミュレートした3次元固体NMRスペクトルについて,各残基の信号を分離して帰属できるかどうかを調べた.その結果,隣接するC^α炭素間などについての3次元等方化学シフト相関スペクトルを測定することにより,信号幅が1ppm程度ならば,ほぼすべての信号帰属が可能なことがわかった.また,今年度はこれ以外に,多次元相関スペクトルを用いて実際のペプチドの^<13>Cと^<15>N信号の帰属が可能なことを,15残基のペプチドであるマストパランXに応用して,二次構造を求められることを確かめた. まだサブユニットcの構造決定に至っていないが測定条件と測定法の確立により,これからの固体NMRによる構造決定のための基礎ができた.
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