Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
核酸(DNA,RNA)は遺伝情報を伝達し,タンパク質は生命を演出する基本物質である.異質なこの両者,"情報"と"もの"の2系統を橋渡しするシステムが遺伝情報翻訳装置であり,リボソームは翻訳装置の本体である.リボソームは大小2つの亜粒子からなり,各亜粒子とも1-3分子のRNAと数十種のタンパク質から構成される.原核生物のリボソームは,3種のRNAと60種のタンパク質で構成されるのに対し,真核生物では4種のRNAと90種のタンパク質で構成され,より複雑である.好熱性細菌ではリボソームの全体の立体構造が明らかになったが,真核生物の翻訳装置,特にリボソームそれ自身の解析はほとんど進んでいない. そこで,真核生物の中で最も翻訳機構の研究が進んでいる酵母,Saccharomyces cerevisiaeのリボソームの結晶化を行った.純度が高く活性も高いリボソームを得ることに成功したが,結晶化の操作の間に分解・変性してしまうことが解った.そこで,さまざまな真核生物から,純度と活性の高いリボソームの調製を試みた.まず,甲殻類であるArtemia salinaの卵からリボソームを調製したところ,高活性で純度の高いものを得ることができた.現在,これについて結晶化を試みている.また,熱安定なリボソームの供給材料として,比較的高い温度環境(50℃)で生育する真菌を探しだし,この真菌(Thermoascus crustaceus)からリボソームの調製を試みた.その結果,活性の高い比較的安定なリボソームを得ることができた.現在,この真菌のリボソームの結晶化を行っている.
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