カンファー水酸化酵素P450と鉄イオウたんぱく質の複合体:複合体形成によって誘導されるP450の活性型構造と誘導機構の解明
Project/Area Number |
11169236
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
島田 秀夫 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80095611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 洋 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (20127294)
永野 真吾 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60286440)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | シトクロームP450 / カンファー / プチダレドキシン / アミノ酸置換 / X-線結晶構造解析 / プロトン供給 / ミオグロビン / 過酸化水素 / 水素結合のネットワーク |
Research Abstract |
P450camの活性型構造における分子状酸素の開裂機構を検討するため活性部位アミノ酸残基Thr252をIleに置換し、構造と機能の関連を検討した。本変異酵素のカンファー水酸化活性は野生型のほぼ1/10に低下した。そこで酵素反応サイクルの各部分反応の反応速度論的解析の結果、還元型酵素、基質カンファーそして酸素の3者複合体である酸素化型反応中間体が還元型プチダレドキシン(Pdx)によって還元され、酸化型酵素、水酸化カンファーならびに水を生成する反応の速度が野生型の1/30に低下したことが明らかになった。しかし酸化型中間体が還元型Pdxに還元される過程を含めて、その他の部分反応は変異によって殆ど変化しなかった。還元型Pdxによる酸素化型中間体の還元反応は、酸化型酵素の還元反応とは異なりプロトン供給と強く共役している。したがって前者の反応のみが遅くなったとの結果は、還元反応に共役したプロトン供給が変異によって遅くなったことを示唆する。そこで本酵素の結晶構造と、一方プロトン供給反応が速いことが知られている野生型とThrをAlaに置換した変異酵素の結晶構造を比較検討した結果、活性部位の水酸基と水分子があるいはその両者がプロトンの速やかな供給に必要な因子と推定された。またIle変異酵素ではプロトン供給が酸素分子の開裂に共役する効率は、Ala変異酵素の約10倍に上昇したが野生型の1/2であった。この結果はAla変異酵素のように水酸基が存在しない場合の水分子は、プロトン供給を妨げないが、分子状酸素の開裂反応を妨げる作用をもつことを示唆する。 またP450反応においては分子状酸素が2電子還元されたペルオキシド型酸素が解裂する。この開裂機構を検討するためP450とは活性部位構造を異にするミオグロビン(Mb)を用いてペルオキシド酸素(過酸化水素)との反応を速度論的に解析し、開裂機構の全貌を初めて明らかにすることに成功した。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)