Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
我々は,基質遷移状態概念に基づいて論理的に,KNI-272をはじめとする一連の高活性のHIVプロテアーゼ阻害剤をデザインした.この方法をさらに発展させて,プロテアーゼとそのアナログを固相法により化学合成を行い,基質や阻害剤と複合体を形成して相互作用の解析をX線結晶解析,NMR,分子モデリングなどの手段を用いて行った.酵素・阻害剤複合体形成は,従来鍵と鍵穴のような固定物として捕えらててきたが,コンフォメーション変化という動的観点で解析を進めることにより,HIVプロテアーゼ阻害剤KNI-529が,HIVプロテアーゼとの複合体中で解離することなしに配向を反転させているという興味ある事実を発見した. さらに酵素と阻害剤の相互作用に関する分子認識に基づいた阻害剤の構造活性相関研究を行い,KNI-272に対して感受性の低下したHIVプロテアーゼに対して阻害活性を示すKNI-764を見いだした.耐性克服の可能性を有するKNI-764と,野生型及び変異HIVプロテアーゼとの相互作用の熱力学的解析を行ったところ,KNI-764が両酵素に極めて高い親和性を有していた.これは,KNI-764中の,酵素との相互作用に関与する部位にflexible structural elementsが存在することを示している.
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