ヘムオキシゲナーゼの結晶解析によるヘム分解反応及び酸素活性化機構の解明
Project/Area Number |
11169240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
野口 正人 久留米大学, 医学部, 教授 (10124611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 寛 久留米大学, 医学部, 講師 (70309748)
高橋 研一 久留米大学, 医学部, 講師 (80250736)
小俣 義明 久留米大学, 医学部, 助教授 (20268840)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | ヘムオキシゲナーゼ / α-ヒドロキシヘム / α-ベルドヘム / ヘム-ヘムオキシゲナーゼ複合体 / 結晶構造 |
Research Abstract |
ヘムオキシゲナーゼ(HO)はO_2とNADPHの還元力を利用してヘムをα特異的に開裂し、ビリベルジン、鉄、COを生成する。本研究ではC末端の膜結合ドメインを除いた短縮型ラットHO-1の大腸菌での発現系を確立し、阪大大学院福山研との共同研究によりヘムとの複合体の結晶構造を決定した。HO-1は8本のα-ヘリックスより成る。ヘムは2つのヘリックス(A、F)に挟まれており、両ヘリックスはヘムの近くで大きく曲がっていた。近位ヘリックス(A)には予測されたようにHis25が存在していたが、遠位ヘリックス(F)には極性アミノ酸が存在せず、最も近いアミノ酸残基はGly139とGly143であった。これらのGly残基はヘム鉄に結合したO_2と水素結合するのに充分近い。HO反応はP450などと異なりoxyferrylではなくferric peroxideが活性酸素種と考えられている。我々は、主鎖を用いたHOによるO_2活性化のメカニズムを提唱した。 HO反応は3段階の酸素添加反応からなるが、第2ステップのヒドロキシヘムからベルドヘムへの転換反応については、O_2のみで起こると主張するグループと、O_2に加えて1e^-の供給が必要であると主張するグループとの対立があった。我々はこの反応がO_2のみで起こり生成されたベルドヘムは2価であることを報告した。これに対して後者から、1e^-の供給なしでヒドロキシヘムから生成されるものはporphyrinが酸化されたporphyrin(Fe^<3+>)π cation radicalであり、O_2酸化物はNa_2S_2O_4によって再還元されてヒドロキシヘムに戻るという反論が出された。確かにNa_2S_2O_4を用いると彼らと同じ吸収スペクトラムが得られたが、正則的なヘム分解が定量的には起こらなかった。同様のことを生理的な還元系であるfp2を用いて行うと、O_2酸化物はベルドヘム特有の吸収像から変化せず、この状態にO_2を通気するとビリベルジンにまで酸化された。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)