Budget Amount *help |
¥7,800,000 (Direct Cost: ¥7,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 1999: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Research Abstract |
脊椎動物の後脳は発生段階に分節構造が見られる.魚では成熟脳においても後脳は前後軸方向に7つの分節に分かれ,各分節に網様体脊髄路(RS)ニューロンが繰り返し存在する.本研究では,形態学的に互いに相同なRSニューロンの機能的特徴と相互結合を,キンギョとゼブラフィッシュを用いて電気生理学的に調べ,分節構造に基づく機能回路の構成を理解することを目的とした. 成魚からin vivo細胞内記録を行い,RSニューロンを脊髄からの逆行性応答と形態学的特徴から同定した.第4分節のマウスナー(M)細胞と同様に細胞体が後脳の背側に左右1対ある3種(MiDcm,MiDcl,MiDi)と腹側にクラスターをなす1種(MiV)が第4-6分節に反復して存在する.第5-6分節のRSニューロンはすべて脱分極量に対応したバースト放電を示した.一方,M細胞は単発の活動電位のみ発生した.M細胞の発火特性は孵化前後に確立される膜特性と強力な反回性抑制回路に依存すると考えられる.M細胞と相同RSニューロンは感覚神経(聴神経,側線神経)からそれぞれ異なる様式で入力を受けていた.なかでも第5分節のMiD2cmとMiD2clおよび第6分節のMiD3clは2つの感覚神経から強い興奮性入力を受け,M細胞より低い閾値で発火応答を示した.さらにM細胞から第5-6分節のRSニューロンへ,一方向でそれぞれ固有の機能結合が明らかにされた.すなわち腹側のMiVへはM細胞から強い興奮性結合,背側のMiDcm,MiDcl,MiDiへは主に抑制性の結合であった.このように魚の後脳RSニューロンには分節内および分節間で機能分化があり,セルタイプに依存した機能的結合が見出された.
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