単一神経細胞で発現するmRNAの定量的解析法の開発
Project/Area Number |
11170232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宋 文杰 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90216573)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥5,100,000 (Direct Cost: ¥5,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | potassium channels / α subunit / β subunit / single cell / RT-PCR / cholinergic interneuron / striatum / serial dilution |
Research Abstract |
多様に分化した神経細胞における遺伝子の機能を研究するには、単一細胞レベルにおいて遺伝子の発現とその機能を調べる必要がある。しかし、遺伝子の発現と機能を対応させるために、その両方の定量化が必要であるが、単一細胞レベルでのmRNAの発現量は極めて微量なため、その定量方法は確立されていない。本研究の目的は単一神経細胞で発現するmRNAの定量方法を確立することである。 本研究では、検出確率法と連続希釈法という二つの方法を提案し、平成11年度と12年度の2年間において検証することとしていた。検出確率法の理論的背景として、単一細胞のcDNAのある分量(1/n)を用いてPCRを行うことは、一個の細胞のcDNAをn個のチューブに分けることになる。発現量が少ない場合、目的のcDNAがあるチューブに入る確率はポアソン分布に従うと考えられ、分量を一定にすれば検出確率が発現量を反映する。一方、連続希釈法では検出閾値希釈倍率が発現量を反映する。 本研究代表者らはラット線状体コリン作動性細胞の一過性K+電流はKv4.2、遅延整流性K+電流はKv1.1とKv1.2によってコードされていることを明らかにしてきた。また、コリン作動性細胞においてKvβ1とKvβ2の発現も見られる。コリン作動性細胞のK+電流の生後発達を調べた結果、生後4週の間に、一過性電流も遅延整流性電流も増加することが認められた。従って、生後発達においてK+チャネル遺伝子の発現量の増加があるものと考えられる。単一コリン作動性細胞のcDNA分量を1/4に固定し、出生から生後4週まで、週ごとにKv1.1,Kv1.2及びKvβ1とKvβ2の検出確率を調べた結果、そのいずれも発達に従っての増加が認められた。一方、連続希釈法をKv4.2に適用した結果、生後発達において、電流の増加とともに、閾値希釈倍率が増加したことが明らかになった。これらの結果は本研究で提案したアプローチの有効性を強く示唆するものである。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)