Project/Area Number |
11170260
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
南部 篤 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (80180553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳野 博信 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 主任研究員 (40212071)
高田 昌彦 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (00236233)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | 大脳基底核 / 淡蒼球 / 視床下核 / 直接路 / 間接路 / パーキンソン病 / ドーパミン / MPTP / 線条体 / 被殻 / 一次運動野 / 補足運動野 / 運動制御 |
Research Abstract |
大脳皮質の広い領野に由来する情報は、大脳基底核で処理された後、大部分は視床を介して大脳皮質(とくに前頭葉)に戻るというループ回路を形成している。大脳皮質を電気刺激して、大脳基底核の出力部である淡蒼球内節からニューロン活動を記録すると、早い興奮と、それに続く抑制、遅い興奮というパターンを示す。このうち早い興奮は大脳皮質-視床下核-淡蒼球内節路を、続く抑制は大脳皮質-線条体-淡蒼球内節路(直接路)を、遅い興奮の多くは大脳皮質-線条体-淡蒼球外節-視床下核-淡蒼球内節路(間接路)を、介するものであり、これらの反応は経由する大脳基底核構成核の興奮性を反映していると考えられる。MPTPを投与して脳内のドーパミンを駆逐することによりパーキンソン病モデルサルを作製し、大脳皮質一次運動野と補足運動野の上肢領域の電気刺激に対する淡蒼球ニューロンの応答が、どのように変化しているかを解析した。その結果、正常な場合と比べて、淡蒼球内節では抑制相と遅い興奮相が減弱し、淡蒼球外節では逆に両者が増強していた。また、L-dopaの全身投与によりパーキンソン病の諸症状が改善するとともに、淡蒼球内節、外節で見られた反応は正常化した。淡蒼球内節における抑制相が短くなったため、視床、大脳皮質を十分、脱抑制できなくなり、その結果、無動が生じたと解釈できる。また、視床下核にムシモルを注入してブロックすると、無動、筋固縮が改善するが、それに伴って皮質刺激による淡蒼球内節の抑制相が増強することも、この解釈の妥当性を示していると同時に、視床下核の破壊や電気刺激によって、パーキンソン病の症状が改善するメカニズムも説明している。
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