Project/Area Number |
11208202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
神山 孝吉 (1999-2000, 2003-2004) 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (70135507)
東 久美子 (2001-2002) 国立極地研究所, 研究系, 助教授 (80202620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 理行 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (20125214)
本山 秀明 国立極地研究所, 研究教育系, 助教授 (20210099)
藤田 秀二 国立極地研究所, 研究教育系, 助教授 (30250476)
古川 晶雄 国立極地研究所, 研究教育系, 助手 (70261120)
橋田 元 国立極地研究所, 研究教育系, 助手 (00280537)
渡辺 興亜 国立極地研究所, 所長 (60111861)
庄子 仁 北見工業大学, 工学部, 教授 (50201562)
神山 孝吉 国立極地研究所, 研究系, 教授 (70135507)
東 久美子 国立極地研究所, 研究系, 助教授 (80202620)
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Project Period (FY) |
1999 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥123,700,000 (Direct Cost: ¥123,700,000)
Fiscal Year 2004: ¥12,400,000 (Direct Cost: ¥12,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥9,900,000 (Direct Cost: ¥9,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥14,100,000 (Direct Cost: ¥14,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥13,600,000 (Direct Cost: ¥13,600,000)
Fiscal Year 2000: ¥39,400,000 (Direct Cost: ¥39,400,000)
Fiscal Year 1999: ¥34,300,000 (Direct Cost: ¥34,300,000)
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Keywords | 雪氷コア解析 / 融解影響 / 環北極海雪氷コア観測計画 / 雪氷微生物 / 北極域の環境変動の復元 / 雪氷コアでの古環境復元計画 / 季節マーカー / 粒子サイズ / シベリア広域積雪調査 / North GRIP計画 / 低温期 / 温暖期 / NOrth GRIP計画 / 霧氷コアでの古環境復元計画 / 深層雪氷コア / 雪氷コア / 古環境変動 / 北極 / 物質輸送 / 雪氷圏 / 汚染 / 環境比較 |
Research Abstract |
北極域の雪氷コアには夏期に融解があった記録がしばしば見られる。 2000年に採取した12.3m深の氷コアの解析結果から、雪が堆積したのち融解が生じると、δ^<18>Oの季節変動から正確な年層境界を決めることが難しいことがわかった。 そして、2001年に採取した4.5m深ピット試料と25.01m深の氷コアについても同様の結果が得られた。δ^<18>Oの深さプロファイルから、表層約2.5m深まではδ^<18>Oの季節変動を明瞭に読み取れるものの、それ以深では融解の影響によりδ^<18>O季節変動は小さく、且つ不明瞭になっており、その変動を読み取ることは難しくなっている。 融解の影響を受けている氷コアから高精度な環境復元をおこなうために、試料に含まれる融解の影響を受けにくい物質に注目した。 雪氷試料に含まれる融解の影響を受けにくい物質として、花粉、雪氷微生物(氷河上で繁殖する微生物)、ダストが考えられた。これらの物質は不溶態として存在し、かつ粒径サイズが比較的大きい(数μm〜100μm)ため、融解水による積雪中の移動が小さい。したがって、これらの物質が持つ情報は、融解が生じる場合でも、環境シグナルの攪乱や消失は少ないと考えられる。しかしながら、積雪中の不溶性物質が融解によって受ける影響については不明な点が多く、粒径の違いによる移動のしやすさについてもこれまでよく知られていなかった。 そこで、融解にともなう粒子のサイズとその影響を評価するために、雪氷微生物をそのサイズ毎に分類し、各サイズにおける微生物バイオマスの深さプロファイルを比較した。雪氷微生物は、花粉やダストと異なり氷河上で繁殖するため、粒子のサイズによる大気輸送条件の影響が無視できるので、融解にともなう粒子への影響を評価するにはもっとも適していると考えられる。細胞のサイズの大きな(7.5μm以上)緑藻類ではコアにいくつかの大きなピーク値が確認され、細胞のサイズが小さい(〜3μm以下)シアノバクテリア、バクテリア、緑藻類は、緑藻類に比べ複数のピークが現れた。したがって、7.5μm以上の粒子については、融解水による流出等の影響は少ないと評価された。 本結果は2004年のカナダ太平洋域のマウントローガンにおいても観測実証された。今後積極的にコアの季節マーカーとして活用していきたい。
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