Project/Area Number |
11224208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
工位 武治 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10117955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 和信 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (90264796)
塩見 大輔 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40260799)
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Project Period (FY) |
1999 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥23,300,000 (Direct Cost: ¥23,300,000)
Fiscal Year 2001: ¥7,900,000 (Direct Cost: ¥7,900,000)
Fiscal Year 2000: ¥7,400,000 (Direct Cost: ¥7,400,000)
Fiscal Year 1999: ¥8,000,000 (Direct Cost: ¥8,000,000)
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Keywords | 単分子有機磁石 / セミマクロスピン系 / 磁気双極子スピン波 / スピニクス / 有機磁性 / 分子磁性 / ウォーカーモード / スピン波 |
Research Abstract |
本年度も、本研究(B)として、群論的に高い対称性をもつ高スピン分子系の設計と合成を引き続き行い、単分子有機磁石(超常磁性体)モデル系となる強スピン分極構造をもつ化学的に安定な高スピン分子(S=3-6のオリゴカルベン系、およびオリゴニトレン系)を極低温下で発生し、CW ESR微細構造スペクトルの全解析によって、同定した。その結果、次元性を制御した水素結合型集積系高スピン分子クラスターの設計が可能であることが分かった。全解析においては、ハイブリッド型の厳密な数値的対角化に基づく固有磁場法をさらに改良し、分子構造とスピン構造が整合するスピンハミルトニアンパラメータが実験的に抽出することができた。分子構造の解析には、オリゴカルベンやニトレンのように一中心型のスピン間相互作用が比較的大きく寄与するスピン構造をもつ系では、S=1のスピンユニット間のスピン-スピン相互作用がどの程度微細構造定数と分子構造に影響を及ぼすかを理論的に詳細に検討し、相互作用の大きさと共役系の大きさとの相関を見いだした。本年度も引き続き、新しいスピニクス分子系として、スピン緩和がスローダウンするようなスピン環境系として、高い対称性をもつC_<60>多価アニオン系をとりあげた結果、新たに見いだした共鳴型のスピントンネル現象は、動的なヤーン・テラー効果を介してC_<60>由来の高温超伝導発現のメカニズムに直接深く関与していることを結論した。 研究(A)では、強磁性体薄膜をミクロンオーダーで微細加工した擬一次元及び二次元超格子構造体において見いだした2種類の新たな量子スピン波モードの全解析を行った。一つは、lateral Walkerとも言うべきスピン波で、もう一つは、磁気双極子スピン波である。後者は、超格子の数に依存して出現し、セミマクロスコピックな量子現象である可能性を強く示唆した。マイクロ波の平行励起実験を行ったところ、弱いマイクロ波励起でも、極低温において、擬一次元磁気双極子スピン波モードのみが、非線形現象を示した。引き続き、この特異な現象の理論的な考察を行っている。
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