Project/Area Number |
11226202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
猪飼 篤 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (50011713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 俊哉 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (00201997)
大谷 弘之 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (80203826)
田中 信夫 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (50032024)
荒川 秀雄 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (80211704)
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Project Period (FY) |
1999 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥146,000,000 (Direct Cost: ¥146,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥21,000,000 (Direct Cost: ¥21,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥35,000,000 (Direct Cost: ¥35,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥44,000,000 (Direct Cost: ¥44,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥46,000,000 (Direct Cost: ¥46,000,000)
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Keywords | 原始間力顕微鏡 / たんぱく質ナノ力学 / 炭酸デヒドラターゼ / カルモジュリン / 分子動力学 / ナノテクノロジー / 原子間力顕微鏡 / タンパク質ナノ力学 / タンパク質 / 単一分子力学 / バイオナノテクノロジー / 高分子伸長力学 / ナノ力学 / バイオダイナミクス / 原子・分子のナノ力学 / プローブ顕微鏡 / 生体高分子 / 立体構造形成 / 複雑系 / アンフォールディング / リフォールディング |
Research Abstract |
原子・分子のナノ力学の領域で、我々は生体高分子、特にタンパク質立体構造の力学的特質を明らかにする実験に従事し、タンパク質ナノ力学という新しい研究分野を開拓することに成功した.非常に複雑な原子間相互作用の上に成り立っているタンパク質の立体構造の幾何学的な解析はX-線結晶解析及びNMRによりなされているが、その構造が持つ力学的な固さ、あるいは固い部分と柔らかい部分の分子内分布については従来研究手段が無かった.我々は原子間力顕微鏡を使用することにより、単一タンパク質分子をその両末端から引き伸ばす実験に成功し、その延伸における張力と延伸距離の関係を詳細に調べる方法を確立した.この方法を炭酸デヒドラターゼおよびカルモジュリンという典型的な球状タンパク質に適用したところ、それぞれ分子内に外力による破壊に対してとりわけ耐性を持つ固い芯(コア)と言ってよい構造が存在することがわかった.炭酸デヒドラターゼでは全長の60-70%まで伸ばすと、このコア構造は協同現象的に破壊される.同様な構造破壊はカルモジュリンにおいても見ることができた.カルモジュリンについては、機能部位に結合するメリチンなどの低分子との相互作用によりその力学的性質が大きく変わることも確認した.同じタンパク質を生物機能を持たない状態にするとこのコア構造は失われる.原子間力顕微鏡による研究では張力と延伸距離の関係の情報以上は得られないので、並行して分子動力学シミュレーションによる研究を行った.その結果、炭酸デヒドラターゼにおけるコア構造はβシート構造によって構成され、亜鉛イオンの配位によって活性中心を作っている部分であることが強く示唆された.このような基礎的な力学物性に対する知見から、生体構造の複雑性を解明するさらに高次な研究への展開を目指している.
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