Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Research Abstract |
フロンなどによる成層圏・オゾンの破壊による紫外線(UV-B)増加が我国でも報告されている(気象庁,1998;佐々木ら,1997)。紫外線を過剰にあびることにより,私たちの健康は,白内障,アトピー性皮膚炎(山本ら,1990;山本,1997),免疫力低下によるガンの発現など直接的に損なわれてしまう。本研究は,都市緑化の設計と管理により,私たちの紫外線被爆量の緩和を構造的に考えるものである。同時に,紫外線の生態系への影響を考えると,都市域のみならず,河川・海岸域を含めた国土のあり方として,地域特性のあるふつうの植物種をとりいれた景観を考える"生態系再生の有機的な設計と管理"といった視点が必要である。 1.基礎研究 1)植物の葉は,新葉から枯葉といった季節性にかかわらず,紫外線(UV-A,UV-B,UV-C)を透過しない。したがって,木陰は非常に有効な紫外線のシールド(shield)として機能すると考えられる。植物葉は紫外域の光の95%を吸収しており,反射についても5%ほどの低い値である。このような植物葉の紫外域特性を英文論文としてまとめた。 2)日本緑化工学会誌に掲載予定の論文"植物葉の可視青領域分光スペクトル特性におよぼすカロテノイド類の影響"については,書き直し作業中。可視・青領域は黄色植物色素カロテノイド類(カロテン類とキサントフィル類)の吸収域である。温室効果ガス削減問題の吸収源としての植生域の光合成活性解析パラメータとして"xanthophyll cycle pigments"が挙がっているため(六川ら,1998),これらに関連する記載を追加の予定。 2.紫外線環境緩和の具体的な都市緑化の景観設計 都市の熱環境の緩和(Hoyano,1991),生物多様性への配慮,温暖化ガス二酸化炭素固定の高度化も念頭においた都市緑化の景観設計について我国の暖温帯のスケッチを数例作成した。
|