前立腺上皮由来エンドセリンによる前立腺平滑筋細胞増殖効果と細胞増殖因子との関係
Project/Area Number |
11671543
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Urology
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
岡田 謙一郎 福井医大, 医学部, 教授 (60026838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚 晴俊 福井医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (30311690)
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Project Period (FY) |
1999 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 前立腺平滑筋細胞 / エンドセリン / 前立腺上皮細胞 |
Research Abstract |
前立腺上皮内に存在するエンドセリン(ET)が前立腺平滑筋細胞に対して増殖効果をおよぼす事が報告されている。しかし,Co-culture法を用いて前立腺上皮細胞から分泌されたETが直接前立腺平滑筋細胞を増殖させることを証明した報告は見られない。 上記内容を確認するため、本年度はヒト前立腺肥大症組織より、前立腺平滑筋細胞(PSMC)を初代単離培養する方法を確立した。手術で得られたヒト前立腺組織を1-2mm角に切りディッシュにのせ、血清入り培地を加えて1-2週待ち、組織片の周囲に増殖してくるPSMCを継代培養する方法で、開腹手術のみならず経尿道的前立腺切除術で得られた切除片からの培養も可能であった。この細胞が平滑筋細胞であることは免疫染色により確認した。初代培養の成功率は50%で、15代以上継代しても安定した増殖を認めた。PSMCの増殖効果については、DNA合成能の評価として^3H-Thymidine取込み実験にて確認した。散見される過去の報告と同様に、basic FGFを添加すると、濃度依存性にPSMCの増殖効果が確認された。 また、ETは内皮細胞由来の強力な血管収縮作用を有するペプチドであり、その中でもET-1は前立腺に対してはα受容体刺激剤にも匹敵する強い収縮作用を有すると考えられている。そこでヒト前立腺におけるET-1による収縮に関与するET受容体サブタイプについても検討した。ヒト前立腺組織を用いて[^<125>I]-ET-1をリガンドとしたET受容体結合実験を行うと、[^<125>I]-ET-1の特異的結合は濃度依存的に増加した。ET-1の収縮作用を確認すると、用量依存的にヒト前立腺を収縮させた。ET受容体に対しては、ET-1による収縮に対する拮抗作用をETAおよびETB antagonistを用いて比較したが、ともに濃度依存性にET-1を阻害し、その親和性はETA antagonist>ETB antagonistであった。このことから、ヒト前立腺ではET-1による収縮反応は主にETA受容体を介して引き起こされている事が明らかとなった。これはヒト前立腺においてETA受容体が優位に存在しているためと考えられる。 今後は、PSMCに対してのET-1の増殖効果を、^3H-Thymidine取込み実験で確認していき、さらにはET受容体サブタイプ別の増殖効果についても調べていきたい。そして、前立腺上皮細胞を単離して、ETの分泌を確認した後、Co-culture法を用いて上皮細胞存在下でもPSMCの増殖効果が認められるか、さらにはそれがET antagonist存在下に抑制されるかどうかを今回の実験結果をもとに検討してゆく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)