Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
今年度はHPSG文法に基づくパーサであるLilfesを用いて,HPSG文法の記述に基づく『原論』の構文の自動解析を主に試みた.結果は期待していたほどに思わしいものでなく,『原論』第2巻から第4巻の一部の命題の文章の自動解析が可能になるにとどまった.その理由としては,非常に単調で画一的な『原論』の文章といえども,かなりのバリエーションがあり,そのすべてを文法記述に含めないと自動解析は可能でないこと,また,HPSG文法およぴこれに基づくパーサが,英語のように文中での単語の順序が比較的定まっている文章を前提としており,活用語尾によって文法的機能が定まるため比較的語順が自由なギリシア語の文章の解析には必ずしも適していないことがある. もちろんHPSG文法がこのようなギリシア語の構造に対応できないわけではない.今年度の研究の成果は,このような問題点を明らかにし,これらに対する対処を検討・試行し,適切な単語および文法の記述によって間題を解決しうることを実例によって実証したことにある.したがって,ギリシア語数学文献のHPSG文法による自動解析は十分に可能であることが確認できた.ただ今年度は,ここに至るまでの文法記述の試行錯誤に時間をとられ,自動解析の対象となった文章の数は,いまだ十分とはいえない.今後の課題は,この範囲を拡大し,当初の目標であった『原論』全体の構文解析を可能にする文法記述を完成させることである. なお,HPSG文法の記述は,一応まとまった成果となったので,3月の言語処理学会で発表を行なう.
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