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現代フランス思想における宗教哲学の諸可能性の研究-悪の問題を導さとして-

Research Project

Project/Area Number 11710012
Research Category

Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)

Allocation TypeSingle-year Grants
Research Field Religious studies
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

杉村 靖彦  京都大学, 文学研究科, 助教授 (20303795)

Project Period (FY) 1999 – 2000
Project Status Completed (Fiscal Year 2000)
Budget Amount *help
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Keywords宗教哲学 / フランス反省哲学 / リクール / ナベール / ラニョー / 証言 / 悪 / 信 / 現代の宗教哲学 / 言葉 / レヴィナス / デリダ
Research Abstract

本研究が目的としたのは、悪の問題を導きとして、ニヒリズム以後の宗教哲学の可能性を現代フランス思想の中に探究することである。この宗教哲学は、現代において哲学と宗教が共有せざるをえないと思われる自己審問からしか捉えられないものであるが、昨年度の研究では,言葉の問題がそのような自己審問への通路として確定された。今年度の研究はこの洞察の延長線上にあるものであるが、その成果は以下の二点に纏められる。
第一の点は,最近のリクール哲学の新展開から、本研究にとって本質的な幾つかの洞察を取り出してきたことである。なかでも重要なのは、昨年出版された『記憶・歴史・忘却』で本格的に展開された「記憶」と「証言」に関する考察である。全てを説明し基礎づける哲学が挫折した後も、「行為し受苦する人間」として自己を問う主体はなお残っている。それが「自己の解釈学」を標榜する近年のリクールの基本的立場であり、そこから繰り出される思索は、悪の問題との連関で現代の宗教哲学を考究しようという本研究の発想源であった。記憶と証言に関するリクールの新たな考察は,上記の言葉の問題とも結びついて、言葉と「信」の繋がりの在処を探る上で多大な示唆を与えてくれた。
第二の点は、本研究の問題に対して「フランス反省哲学」の伝統がもつ重要な意味を指摘しえたことである。本研究の関心にもっとも近い現代フランスの思想動向は、いわゆる「フランス現象学の神学的転回」であり、昨年度はレヴィナスやデリダの思索を手掛かりにこの動向の意味を問う研究も行った。しかし、そこで問われている諸問題は、フランス反省哲学の担い手を自任するラニョーやナペールの晦渋な思索を通して、別の光源から照射されうるものであると思われる。そのことを理解したことによって、本研究の問題への複層的なアプローチが可能になった。これは今後の研究の新展開に繋がる大きな成果であると言える。

Report

(2 results)
  • 2000 Annual Research Report
  • 1999 Annual Research Report
  • Research Products

    (4 results)

All Other

All Publications (4 results)

  • [Publications] 杉村靖彦: "現代フランス哲学と「宗教哲学」の可能性"創文. 419号. 6-10 (2001)

    • Related Report
      2000 Annual Research Report
  • [Publications] (編)長谷正當,細谷昌志: "宗教の根源性と現代 第1巻"晃洋書房. 294 (2001)

    • Related Report
      2000 Annual Research Report
  • [Publications] 杉村 靖彦: "言葉と超越-現代の宗教哲学に向けて"Ex Oriente. 2. 49-79 (1999)

    • Related Report
      1999 Annual Research Report
  • [Publications] 杉村 靖彦: "物語と自己の探求-物語的自己同一性をめぐって"フランス哲学・思想研究. 4. 68-83 (1999)

    • Related Report
      1999 Annual Research Report

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Published: 1999-04-01   Modified: 2016-04-21  

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