Project/Area Number |
11710045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
実験系心理学
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
権藤 恭之 財団法人 東京都老人総合研究所, 心理学部門, 助手 (40250196)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 高齢期 / 認知 / 反応時間 / 痴呆判別 |
Research Abstract |
本研究の目的は、正常高齢者における反応時間研究から得られた知見を応用し、痴呆の早期発見のためのテストを開発することである.高齢期において認知処理の速度は全般的に遅延するが、単語の判断のように言語的な処理を必要とする認知領域(言語関連領域)と記号や図形等の言語的な処理を必要としない認知領域(言語非関連領域)ではそれぞれ処理速度の遅延の割合が異なることが報告されている.そこで、これらの異なった認知領域間の反応時間のプロフィールの違いを利用することがこの研究の目的である。第1実験では、若年者と一般高齢者に言語関連領域の課題と、非言語関連領域の課題を実施し、両者の反応時間のパタンを比較した。その結果、言語性の課題は、非言語性課題よりも、反応時間の遅延が大きいとの予想と反して、言語性ではあるが、記憶課題において特異的な傾向を示す被験者が存在した。このことは、言語領域、非言語領域の比較とともに、記憶依存領域と記憶非依存領域の比較の重要性を意味するものであった。2実験では、一般高齢者に痴呆のスクリーニングテストのMMSEを実施しその得点を基準に初期痴呆のリスク群とリスクのない群間で記憶と記憶に関連のない認知課題を実施し、プロフィールを比較した。その結果、リスク群では非リスク群と比較して、記憶関連課題の低下が大きかった。これらの結果から、言語領域、非言語領域、記憶課題、非記憶課題の組み合わせが、痴呆の早期判別に有効なのではないかと考えられた。
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