東アフリカ牧畜民の「身体」をめぐる認知と実践に関する比較民族誌的研究
Project/Area Number |
11710170
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
河合 香吏 静岡大学, 人文学部, 助教授 (50293585)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 身体認識 / 自然認識 / 土地・空間認識 / チャムス / ドドス / トゥルカナ / 民族医学 / 東アフリカ牧畜民 / 民族生殖理論 |
Research Abstract |
「身体」をめぐる認知と実践が制度や規範をはじめとする文化・社会の諸側面とどのように関わっているのかについて、ケニア北部の牧畜民チャムスを対象とした研究をふまえて、他の東アフリカ牧畜社会との比較研究をすすめた。具体的には、トゥルカナ(ケニア)、ドドス(ウガンダ)における現地調査で得られた一次資料を整理・分析し、また、幅広い視野からの分析を可能にするため、京都大学アフリカ地域研究資料センターや東京大学東洋文化研究所、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所等の研究機関から、情報・資料を収集した。 今年度は、チャムスを対象とした身体をめぐる認知と実践に集中してきたそれまでの研究を身体性を基軸とした人間・自然・社会の相互関係の解明をめざす研究へと展開すべく、以下の研究をおこなった。 まず、「身体という自然」からより広くひろく自然一般に敷衍させてゆく架橋として、身体をめぐる認識論と存在論を双方から検討し、「身体」という生物学的な所与が人間の「生のかたち」を社会的現場において築きあげるための確固とした拠り所となりうる可能性をもちうることを示した。この内容は「身体という『自然』-牧畜民チャムスの認識と行為から」(松井健編『自然観の人類学』榕樹書林、2000年)として発表した。 また、昨年度に研究分担者として参加した文部省科学研究費補助金による国際学術研究「変容するアフリカ牧畜社会の問題解決にみる内在的論理の人類学的研究」(代表:京都大・太田至)におけるウガンダ共和国での現地調査によりえられた一次資料のうち、とくに土地にかんする知識と利用についての整理・分析をすすめ、おもに「地名」を材料に、身体性を軸とした空間認識について考察した。この内容は「『地名』という知識-ドドスの環境認識論・序説」(佐藤俊編『生態人類学叢書・アフリカの遊牧世界』京都大学学術出版会、印刷中)として投稿した。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)