Project/Area Number |
11710186
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Japanese history
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
金井 静香 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (30295232)
|
Project Period (FY) |
1999 – 2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | 日本中世史 / 公家領 / 寺社領 / 荘園公領制 / 収取体系 / 職の体系 |
Research Abstract |
本研究により得られた知見等の成果について、交付申請書の「本年度の研究実施計画」に対応させて説明する。 1.収取体系上における、都市の荘園領主(本家・領家層)同士の関係について。 (1)鎌倉後期に管領者-知行者の関係が構築された所領が存在することは、昨年度の報告書の中で指摘したが、その現象の背景には、予想される所領相論に備えて庇護者を求める一般公家側の事情等があったと推測し得た。 (2)鎌倉後期、王家・摂関家の主催する仏事その他の儀礼や、彼ら権門の邸宅修理等に際しては、必要な物品や費用が、関係する荘園に役として課せられていた。 2.荘務及び収取に関してなされる荘園領主と地頭・荘官層との交渉について。 (1)鎌倉後期、所務をめぐる荘園領主と地頭の間の相論において争点になっていた事項には、地頭による年貢や得分の抑留のほか、荘園内の田畠・寺院の進止権の所在、検断権の所在等がある。これらの点に関する裁許(あるいは雑掌と地頭の合意)によって相論の解決がはかられたが、地頭請所や下地中分の契約に至った事例もある。 (2)下司・政所・公文等の荘官の職の補任を荘園領主が行った事例は、鎌倉後期においても散見される。そうした補任状の中には、その文面で、年貢等を懈怠なく納めるよう荘官に対し改めて確認しているものがある 以上のように、徳政等の影響で職の体系が変化すると言われる鎌倉後期において、荘園領主が自身の下にある収取体系を維持・再建しようとしていた様子が概観できた。 なお、本年度も、宮内庁書陵部等の史料所蔵機関へ出張して調査を行い、個別の公家・寺社領荘園群の概要に関する文書を含め本研究に関係する史料を、写真で収集した。
|